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多様性の向上を目指すF1。マイノリティの人々を対象とする奨学金やインターンシップなどの計画を発表

2021年7月16日

『ハミルトン・コミッション』がF1における黒人の人材の少なさを改善する提言を明らかにしたすぐ次の日、F1はその幅広いコミュニティにおける多様性を向上させるための多数の奨学金、インターンシップおよび実習計画を発表した。


 F1のこの取り組みは、2020年に開始した『#WeRaceAsOne』キャンペーンと、F1の元CEOであるチェイス・キャリーが個人的に資金を出した基金の上に成り立っており、マイノリティに属する学生に向け、主に工学に重点を置いたF1での奨学金を提供する。


 全体としてF1は全10チームからのサポートと貢献により、3つのプログラムを用意している。


 第1の取り組みは、マイノリティに属する10人の学生に工学奨学金を提供することだ。対象には少数民族、女性、経済的に恵まれていない家庭の出身者らが含まれる。この奨学金では、「学生の授業料および生活費全額を支給する」という。


 参加する大学は、イタリアのMUNERエミリア・ロマーニャ自動車大学(奨学生3名)、イギリスのオックスフォード大学とストラスクライド大学(奨学生各2名)、ケンブリッジ大学とコベントリー大学およびマンチェスター・メトロポリタン大学(奨学生各1名)だ。各大学は「奨学金受給者を決定するための独自の選考プロセス」を実施するという。


 第2の取り組みはF1実習プログラムであり、F1は「2021年に長期の実習生2名をマイノリティグループからF1組織に採用する。実習は9月から開始し、メカニカルエンジニアリングに特化する」という。


 最後の取り組みはF1インターンシッププログラムで、6名のインターン生を採用し、“2021年にF1の組織内において、短期および長期の配置を組み合わせての役割を提供する”ものだ。すでにモータースポーツおよびマーケティングチームで2名のインターンが決まっており、残りの4名は複数のD&Iパートナーを介して今後数週間のうちの採用を予定しているとのことだ。

メルセデスのガレージで作業を行うメカニックたち
メルセデスのガレージで作業を行うメカニックたち


「F1は世界中にファンがいる世界的なスポーツだ」とF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは語った。


「我々は、我々のファン層と同様に多様になりたいと考えている。そのために、マイノリティの才能ある人々がこの素晴らしいスポーツで、素晴らしいキャリアを築くことができる最高のチャンスを得ることができるよう行動を起こしている」


「奨学生、実習生、インターン生がF1での夢を叶えるチャンスを掴むことができると発表できて喜ばしく思うし、彼らの前に素晴らしい未来が待ち受けていることは分かっている。チェイスには特別の感謝を捧げたい。彼の寛大な寄付によって10名分の奨学金を賄うことができた」


「我々の#WeRaceAsOneキャンペーンは、真の変化を起こすための誓約であり、我々が住む世界にポジティブな貢献をしなければならないことを我々が認識していることを示す。すべてのチームがこのキャンペーンに貢献しているし、ハミルトン・コミッションの働きは、F1におけるこれらの問題に対する取り組みへの献身を示している」


「我々の焦点はダイバーシティ&インクルージョン、持続可能性、コミュニティに置かれている。我々はさらなる多様性と持続可能性を実現し、我々が訪問する国々や地域に持続的なプラスの影響を残すための計画を継続して推進していくだろう」


「我々はこうした問題について前進を続けなければならないことを承知している。これから数カ月や数年先まで、スポーツ全体が団結して取り組んでいく」

ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)
2021年F1第9戦オーストリアGP ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)


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