ホンダF1田辺TD予選後会見:僅差でポールを逃し「かなり厳しい戦い」角田にはアグレッシブな走りを期待
2021年5月9日
予選直前のフリー走行3回目でトップタイム、予選Q2でもメルセデス2台に0.2秒差をつけて最速タイムを叩き出すなど、好調な仕上がりを見せたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。しかしQ3ではルイス・ハミルトン(メルセデス)に0.036秒及ばず、惜しくも2021年F1第4戦スペインGPのポールポジションを逃した。
一方セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は「この日は一度もいいラップを走れなかった」という不調で8番手。ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)はQ2落ちを喫し、昨年の第15戦バーレーンGPから達成し続けてきたQ3進出記録も6で途絶えることになった。そして角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は第3戦ポルトガルGPに続いてグリップ不足に苦しみ16番手。そんな4人の予選を、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「かなり厳しい戦い」と総括した。
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──スペインGPの予選は、実に熾烈な争いになりました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):かなり厳しい戦いでした。マックス(フェルスタッペン)はフロントロウを獲得しましたが、ポールポジションの(ルイス)ハミルトンと本当に僅差の2番手。最後のアタックでマックスを含め多くのドライバーがタイムを更新できなかったのは、路面コンディションが最初のアタックのときの方が良かったからのようです。
──フェルスタッペン以外の3台はどうでしたか?
田辺TD:ペレスは細かいところをまとめきれずに8番手。マックスとちょっと差が開いてしまいました。今週末は中団グループのフェラーリ、マクラーレン、アルピーヌが本当にいい走りをしています。それもあってアルファタウリの2台は、Q3まで進むことができませんでした。ガスリーは本当にわずかな差、0.016秒差で、予選トップ10に入れませんでした。
──決勝レースに向けてはいかがでしょうか?
田辺TD:マックスはフロントロウからのスタートを決めてくれることを期待しています。ガスリーもスタートタイヤを自由に選べますから、いいレース展開に結びつけてもらえればと思っています。ペレスもレースの巧さには定評があります。
──角田選手はポルトガルGPに続いて、厳しい週末です。
田辺TD:一発タイムをまとめきれず、沈んでしまいましたね。ルーキーということで、それも勉強の一環かなと思います。長丁場のレースを走り切って、いろんなことを学んでいただければ。と同時に、決して萎縮することなく、彼らしいアグレッシブな走りをしてほしいですね。とにかく今季は全体のパフォーマンスが非常に拮抗している。ちょっとでも歯車が噛み合わないと、大きくレース結果に響くことを痛感しています。ホンダとしては、ミスを犯さないことが必須と考えています。
──ポールポジションを逃したのは残念でしたが、昨年の予選でメルセデスにコンマ7秒の大差をつけられたのを思えば、今年は本当に僅差でした。ベンチマークとなるサーキットでそれだけの走りができたことについては、どう評価していますか。
田辺TD:1週間前のポルトガルGPも、昨年10月の初開催時と比べると差は非常に縮まっていました。メルセデスとの総体的な差が確実に縮まっていることは、素直に喜ぶべきだと思います。とはいえ、少しでも開発の手を緩めると、すぐに引き離されてしまう。それはいつも痛感しています。
──ハミルトンは今回のポールポジションが通算100回目でした。かつてアイルトン・セナと一緒に仕事をし、全盛時のミハエル・シューマッハーを間近で見てきた田辺TDにとって、ハミルトンからはどんな凄さを感じていますか。
田辺TD:直接仕事をしたことはありませんが、記録を打ち立てることは本当に容易ではない。あの力強い走りを、これだけ長い期間にわたって発揮し続けてきたことには賞賛しかありません。どんな些細なことも疎かにせず、劣勢に見えても粘り強く這い上がってきっちりと結果を出す。才能だけではなく、ものすごい努力を積み重ねてきたドライバーだと思います。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 403 |
2位 | ランド・ノリス | 340 |
3位 | シャルル・ルクレール | 319 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 268 |
5位 | カルロス・サインツ | 259 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 217 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 208 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 63 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 35 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 608 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 584 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 555 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 425 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 50 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 49 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |