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「スタッフには申し訳ないが、これも通過点」角田のクラッシュは限界を知るための教訓に/ホンダF1山本MDインタビュー
2021年4月18日
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPの予選Q1、最初のアタックに向かったアルファタウリ・ホンダの角田裕毅はクラッシュを喫した。「シケイン入り口で激しくプッシュしすぎた」とミスを認めた角田に怪我はなかったが、予選でタイムを記録できなかったため、決勝レースは最後尾からスタートすることになる。予選後、山本雅史(マネージングディレクター)に、角田のクラッシュについて聞いた。
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──角田選手が自らのミスで単独のクラッシュするというのは、あまり記憶がありません。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):初めてですね。日本のFIA-F4で、タイヤの使い方を失敗してオートポリスでコースオフはあるけど、今回みたいにクルマにあそこまでダメージを与えるようなクラッシュをしたのは、少なくともヨーロッパに来てから初めてですね。FIA-F3、FIA-F2でもなく、F1でも初めての経験です。テストでもタイヤをちょっと脱輪する程度はありましたが、おもいっきりコースを外れて壁に当たったということは今回の予選のクラッシュが初めてです。
──要因として考えられることは何ですか?
山本MD:単純に攻めすぎたということでしょう。そういう風に私も聞いています。今週はFP1からFP3まで流れでいうと(ピエール)ガスリーの方がよかった。そういった意味でも本人も頑張りすぎたというのが正直なところじゃないですか。同じクルマだから、ポテンシャル的に自分もいけると思ったんでしょう。いい教訓になったと思います。イモラがホームグランプリのアルファタウリのメカニックにとっては大変で申し訳ないと思っていますが。
──いい教訓というのは、欲張らないこと?
山本MD:そうじゃなくて、限界を知ってという意味。クラッシュしたことに関しては残念だけど、いい経験をしたとポジティブに受け取っています。F1はF3、F2に比べて速度域が速いので、どこまで攻めていいのかわかったと思う。開幕前にクラッシュを恐れないでチャレンジをすると言っていましたが、今日はまさにそれだったと思います。
──開幕戦ではスタートでコンサバに行き過ぎて、今回は予選で攻めすぎたという感じですね。
山本MD:そうそう。開幕戦で初めてグリッドで話した時に、『ここに立ってはじめてF1ドライバーになってレースをするんだ』という意識で、私は初めて彼の緊張した顔を見た。本人のなかでは最低でも完走してポイントを獲ろうということも頭にあっただろうし、そういった意味ではスタートがコンサバティブになったのも事実で、それもいい経験になると思います。
今回は2戦目で、別の意味でいい経験となりました。言い換えればバーレーンもスタートで慎重に行き過ぎて15番手くらいになって、そこから挽回した。今回はそこから5つ下がっただけだし(暫定グリッドが20番手)、気持ちを切り替えて頑張ってほしい。ここは抜くのが難しいですが、ホンダ勢の残り3人が上位にいます。マシンもパワーユニット(PU)もトップと遜色ないところまできていると思うので、気持ちを切り替えて着実にプッシュしていってほしいと思います。
──土曜日のフリー走行では、無線で結構イライラしていたみたいですが。
山本MD:無線の話でいうと、彼は賢いドライバーなので走りながらメンタルの切り替えのために声を出してると思います。だから、それ自体は心配していません。ただ、言葉遣い、特に放送禁止用語を使用するのは差し控えた方がいいと思うし、世界最高峰の戦いなのでドライバーとしての品格の高さも見せていかなければいけないのかなとは思っています。その件に関しては、このレースの後、イギリスに帰ってからゆっくりと話し合いたいです。
──予選後、角田選手とは会ったのですか?
山本MD:会いました。「ちょっと攻めすぎちゃって、申し訳なかった」と反省していましたので、『「(気持ちを)切り替えて、(レースを)頑張ろう」と伝えました。エンジニアやメカニックには申し訳ないのですが、これもF1ドライバーになって通らなければいけない通過点かなと思ってます。
(Masahiro Owari)
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