ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回はF1第14戦トルコGPの週末を甘口の視点でジャッジ。
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F1第14戦トルコGPは今シーズン初のウエットコンディテションで予選とレースが行われた。
路面が雨で濡れて滑りやすいウエットコンディテションでは、エンジンの出力はドライコンディションよりも落ちるため、パワー面でほかのパワーユニットマニュファクチャラーとの差が出にくい。
ホンダがF1に復帰した当初は雨が降ると、ドライコンディション時よりも良い成績をあげることが少なくなかった。2016年のオーストリアGPでジェンソン・バトン(マクラーレン)が当時ホンダとして復帰後最高位となる予選5番手を獲得したのは雨がらみの予選だった。また2018年のハンガリーGPと日本GPでトロロッソ・ホンダが2台そろってQ3に進出したのも、雨を味方につけた結果だった。
しかし、トルコGPの予選ではアルファタウリ・ホンダはピエール・ガスリーが15番手、ダニール・クビアトが17番手に終わった。これはアルファタウリ・ホンダとして今シーズン最も悪い結果だった。
ドライコンディションで行われた前戦エミリア・ロマーニャGPの予選では、アルファタウリの2台そろってQ3に進出していたことを考えると、トルコGPの予選結果は実力というよりも、何らかの理由で持てる力を十分に発揮できなかったと考えるのが自然だ。
今回のトルコGPではレッドブル・ホンダの2台も予選とレースで、ともに実力を十分に発揮できずに終わった。それは「パワーユニット側で調整できるレベルではないほど、路面が滑りやすかった」(田辺テクニカルディレクター)ことが大きく影響していたように思う。
つまり、ホンダ勢2チーム4台にとって、今回のイスタンブール・パーク・サーキットのウエットコンディテションは歓迎するような状況ではなかったわけである。それは裏を返せば、気がつけば、ホンダはもはやドライコンディションでライバルたちとほぼ互角に戦える戦闘力を備えていると言うことができるのではないだろうか。
(Masahiro Owari)