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ハミルトンが皇帝シューマッハーに並ぶ通算91勝目。リカルドはルノーで初表彰台を獲得【決勝レポート/F1第11戦】
2020年10月11日
10月11日現地時間午後2時10分、第11戦アイフェルGPの決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが歴代最多タイとなる通算91勝目を挙げた。
気温は9度と低いものの路面温度は16度まで上昇し、予報されていたほど寒いコンディションにはなっていない。ただし決勝を前に雲が多くなり、決勝中の降水確率は40%。
ランド・ノリス(マクラーレン)は予選後にパワーユニットにトラブルが見つかったためパルクフェルメで今季3基目のパワーユニットに交換しているが、同スペックであるためペナルティの対象とはなっておらず、予選順位からスターティンググリッドに変更はない。キミ・ライコネン(アルファロメオ)はこれで323戦の史上最多出場記録を更新した。
上位10台はすべてQ2で使用した中古のソフトタイヤ、11番グリッド以下ではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とアルファタウリ・ホンダの2台、ロマン・グロージャン(ハース)がミディアムタイヤをチョイスし、それ以外は新品のソフトタイヤで決勝スタートに臨んだ。
スタートでポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)が好発進を決め、ハミルトンはターン1でインに飛び込み立ち上がりでアウト側まではらんでいって一度は前に出たものの、サイドバイサイドのまま譲らずターン2への飛び込みでインを守ったボッタスが首位を取り返して1周目をトップで通過。
後方ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がターン3でハミルトンのインを伺うが、ハミルトンも2番手をキープ。3番手フェルスタッペン、4番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、5番手ダニエル・リカルド(ルノー)、ターン3でリカルドと接触したアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が6番手、7番手ノリス、8番手セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、9番手エステバン・オコン(ルノー)、10番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)と大きな波乱なく1周目をクリアした。

ミディアムタイヤのベッテルは12番手、アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが14番手、ダニール・クビアトが15番手とポジションを落とした。最多出場のライコネンもターン3で止まりきれず、前走車に追突しそうになってコースオフし19番手。やはりミディアムタイヤのグロージャンが最後尾に下がっているが、ライコネンが跳ねた石が指に当たり痛みを訴える。
ボッタスはすぐに2番手ハミルトンをDRS圏外に追いやり、3番手フェルスタッペンも1.5秒差で走行。4番手ルクレールが後続にフタをするかたちで抑えて走り、4番手以下はフェルスタッペンより1周2秒も遅いため大きく差が開いていく。その中で7周目にアルボンがピットインしてミディアムに交換し、アンダーカットを狙う。
リカルドは9周目のターン1を立ち上がり重視で加速してターン2でアウトからルクレールをパスして4番手へ。ターン1では小雨がパラつき始めるがにわか雨に過ぎない。
10周目にルクレールがピットインしミディアムに交換。11周目のターン1ではアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)を抜こうとしたベッテルがバランスを崩してスピンを喫する。フラットスポットを作ったためピットインを強いられ、ハードタイヤに履き替えて最後まで走る作戦に出た。

首位ボッタスは13周目のターン1で右フロントを激しくロックアップさせてオーバーシュート。ハミルトンがすかさずターン2でアウトに並びかけてボッタスをかわし首位にたった。ボッタスはピットインしてミディアムに履き替えてリカルドの後方4番手でコースに戻る。
ライコネンは14周目のターン1で止まりきれず、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を弾き飛ばすかたちとなりラッセルはマシンを止めてリタイアを余儀なくされた。これでVSC(バーチャルセーフティカー)となり、首位ハミルトン、2番手フェルスタッペン、4番手リカルドはすかさずピットインを済ませる。ライコネンは左フロント翼端板を壊した上に10秒加算ペナルティが科された。
VSCは間もなく解除となるが、アルボンと争うクビアトはターン14をカットしてしまい、その直後にアルボンに接触されてフロントウイングを壊し1周走ることを余儀なくされる。

17周目、ボッタスはパワーユニットにトラブルを抱え、ドライバーディフォルトをかけるものの問題は改善せず、ピットインしてリタイアを余儀なくされた。
9番手アルボンは8番手ガスリーを抜けずに苦戦し、22周目のターン1で右フロントをロックアップしてあわや接触という場面も。アルボンはガスリーのドライビングがハード過ぎると非難するが、タイヤには激しくバイブレーションが出ている。オコンはマシントラブルでブレーキとギヤシフトを失ってピットに戻りリタイアを強いられた。
アルボンは23周目にピットイン。その直前にクビアトとの接触に対して5秒加算ペナルティを科されたが、チームは作業せずマシンをガレージへと戻しリタイアとなった。

リカルド以外の中団グループ勢は1ストップ作戦を狙っているが、25周目には中団トップのノリスのパワーユニットにもトラブルが発生しパワーを失う。ディフォルトを実行するが症状が完全には改善しないものの、走行を続ける。
28周目にペレスが先にピットインしノリスに対してアンダーカットを仕掛ける。しかしガスリーに引っかかってしまいタイムロス。ノリスはパワーが悪化していると訴えながらも29周目にピットインし、ミディアムに履き替えてペレスの前でコース復帰を果たした。
しかし30周目のバックストレートエンドでノリスはディプロイメントが切れ、ペレスがターン13でインに飛び込んで実質的中団トップを取り戻す。ペレスは33周目にはシケインの立ち上がりでルクレールをパスして4番手へ。しかしルクレールもメインストレートでDRSを使って抜き返す。だがペレスは再びターン13で抜き返して再逆転を果たした。3番手を走るリカルドはなんとかタイヤをいたわって最後までもたせようとしている。
ルクレールは36周目にピットインし再びミディアムタイヤを履き、ガスリーの前10番手でコースに復帰。ライコネンとベッテルをかわして7番手まで浮上し、ペースの落ちたノリスを追いかけていく。
43周目のターン5でノリスは突然駆動を失い、ターン6でマシンを止めてリタイア。45周目になってセーフティカー導入となり、首位ハミルトン、2番手フェルスタッペンがピットインしてソフトタイヤに履き替える。リカルドは渡りに船でタイヤ交換を済ませ3番手に浮上。ペレスは翌周ピットインして4番手に後退する。
これでオーダーは首位ハミルトン、2番手フェルスタッペン、3番手リカルド、4番手ペレス、5番手サインツ、6番手ルクレール、7番手グロージャン、8番手ガスリー、9番手ヒュルケンベルグ、10番手ジョビナッツィとなる。ただしルクレールはミディアム、グロージャンはハード、ジョビナッツィはミディアム。周回遅れを挽回したルクレール以下はハイペースで走ることができ、セーフティカーの後方を走る上位勢はタイヤが冷えていて不利だと訴える。
レースは50周目から残り11周で再開。フェルスタッペンは最終コーナーでロックさせリカルドが背後に迫るが、ターン1でインを守って2番手を死守。ハミルトンは悠々とリードを築いていく。
ペレスは3番手リカルドに対して猛攻を仕掛けていき、激しい3位表彰台争いが繰り広げられるかと思われたが、リカルドはペレスを引き離していく。ガスリーは51周目のターン1でルクレールを抜いて6番手へ浮上、しかしルクレールはヒュルケンベルグを寄せ付けず7番手を守る。
首位ハミルトンも残り11周を危なげなく走り、58周目には1分28秒145のファステストラップも記録してトップでチェッカードフラッグ。これでミハエル・シューマッハーの史上最多勝記録に並ぶ91勝目を挙げた。
2位は最終ラップにハミルトンのタイムを塗り替えて1分28秒139でファステストラップを記録したフェルスタッペン、そしてペレスを寄せ付けなかったリカルドが3位に入り、ルノーにとっては2016年のワークス参戦以来初となる表彰台獲得となった。
(Mineoki Yoneya)

バーレーンGPリザルト
4/11(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
4/12(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
4/13(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 151 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 93 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 71 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 57 |
5位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |

