ガスリー「リビングにあるトロフィーを見て、本当に勝ったのだと実感した」ハミルトンとの交友も明かす/優勝後インタビュー
2020年9月11日
先週の第8戦イタリアGPで、劇的な初優勝を遂げたアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。実はガスリーは今年からミラノに居を移し、モンツァには毎日自宅から通っていたという。レース翌日の月曜日の朝、リビングに飾られた優勝トロフィーを見て、初めて勝った実感が湧いたという。
1年前のどん底から立ち直ったメンタルの強さや、ハミルトンとの意外な交友など、ガスリーはリラックスした雰囲気のなかで語ってくれた。
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──1年前にレッドブルから降格されたにもかかわらず、強い気持ちを持ち続け、今回の勝利に繋がりました。そのメンタルの強さは、どこから来ているのでしょう。
ピエール・ガスリー(以下ガスリー):カート時代から毎年、崖っぷちの状況で戦ってきた。勝ち続けないと、次がないという状況だった。そこで鍛えられた部分は、間違いなくあると思う。でも根本的には、家族から受け継いだんだと思う。両親や、兄弟たちと接するなかでね。
確かに1年前の出来事は、僕にとって人生最大のチャレンジだった。精神的に、ものすごくキツかったよ。でもとにかく目前のレースに集中して、結果を出すことだけを考えた。“チームとの関係をベストな状態にして、彼らのためにベストの走りをしよう”。それだけを思い続けたんだ。
──レース翌日の月曜日の朝、起きて最初に思ったことは何ですか?
ガスリー:リビングルームに置いてある優勝トロフィーを見て、本当に勝ったんだと実感した。夢じゃないんだと。チェッカーフラッグを受けてから、怒涛のような時間だったしね。まともに座ることも、食事することもできなかった。矢継ぎ早のインタビューと、世界中からの祝福のメッセージと。トロフィーを眺めながら、そんなことも思い返したりしたよ。
──エマニュエル・マクロン大統領からの祝福には、何と答えたのですか?
ガスリー:それがまだ、ちゃんと返事ができていないんだ。大統領からのメッセージが来たのは、レース後エンジニアルームにいた時だった。「ボイスメールを聞いたほうがいい」って、教えられてね。聞いてみたら、マクロン大統領だった。まさかフランスの大統領からメッセージをもらうなんて、自分の一生で起きるはずはないと思ってたから(笑)、そりゃあびっくりしたよ。返事しなきゃと思いつつ、めちゃくちゃ忙しいなかでそのままになってしまった。
──ミラノに住むようになって、そこからわずか20kmのモンツァで初優勝を遂げました。これも何かの縁ですね。
ガスリー:かもしれない。いずれにしてもこれ以上ない場所で、F1初勝利を挙げることができた。実はレースの週末、毎晩自宅に帰って自分のベッドに寝られたのも、長いレース人生で今回が初めてだった。そして朝起きたら、リビングで落ち着いてコーヒーを飲んでから、自家用車でサーキットに出勤する。すごく特別な感覚だった。そしてそこで勝てた。その意味でも、一生忘れられない勝利になったと思う。
ーあなたがトロロッソからF1デビューした際、チームマネージャーのグラハム・ワトソンから、「ミハエル・シューマッハーのようなドライバーになれ」と言われましたよね。彼のようにチームを引っ張り、勝てるチームに育て上げろと。あなた自身、今後もアルファタウリで勝利を重ね、チャンピオンチームに育て上げられると思いますか。
ガスリー:すごく難しい質問だね。マイケルは特別なドライバーだし、彼と比べるのはおこがましい。ただ僕自身、グラハムにアドバイスされるまでもなく、チームのみんなからやる気を引き出して、みんなで最高の結果を出そうという気持ちを忘れたことはない。大事なのは、思ったような結果が出せないレースが続いた時だろうね。そんな時こそ、リーダーの資質が問われる。そこをみんなで乗り切って、初めてリーダーとして認められると思っているよ。
もちろん今回のような優勝の喜びを、このチームで繰り返し味わいたい。でもそれが現実的には簡単じゃないことも、十分わかっているよ。
──ルイス・ハミルトン(メルセデス)と、意外に親しいのですね。
ガスリー:ルイスは僕がカートレースを始めた頃から、憧れの存在だった。彼のアグレッシブな走りが、大好きだったしね。それが2018年からは、一緒にレースをすることになった。その年のバーレーンGPで4位入賞を果たして以来、ルイスとは折に触れて話をするようになったんだ。アドバイスを求めると、すごく丁寧に返事をくれたりね。
そして今年のロックダウン中にeスポーツで一緒にレースをするようになって、さらに親しくなった。レースのことだけじゃなく、お互いの興味のあるいろいろなことを話す関係になった。F1史上最高のドライバーのひとりと、こんなふうに近しい存在でいられることが、いまだに信じられないよ。
──将来、ハミルトンのチームメイトになれるとしたら?
ガスリー:そのチャンスは逃したくないね。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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