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ホンダF1田辺TD初日会見:新PU投入でレッドブル勢は問題なく走行「今後は2基をやりくりして戦っていく」

2020年8月8日

 先週の第4戦イギリスGPと同じ、シルバーストンで連続開催される第5戦70周年記念GP。レッドブル・ホンダは5戦目のこのレースに、「戦略的な理由」から早々に2基目のパワーユニット(PU)を投入した。


 一方で今週末は、気温がかなり高くなることが予想される。そうなった場合、去年は冷却で苦労したメルセデスに対して勝機が出てくるのか。しかしホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、「メルセデスが(何もせずに)指をくわえているとも思えない」と、慎重な見方を示した。


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──最初に初日の振り返りから、お願いします。


田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):先週末3日間の走行データやライバルたちとの相対的な立ち位置を見直して、チームもホンダも今回のレースに向けて準備してきました。今日のフリー走行は、それらを試した1日でした。


 昨日は「日曜日は天気が崩れるかもしれない」と言いましたが、どうも暑いまま推移しそうです。今日は気温30度程度、路面温度は途中で曇ったりしたのもあって、ちょっと上下しました。


 とはいえイギリスにしては非常に暑いコンディションでしたが、4台とも問題なく走行できました。そんななかレッドブルの2台には、2基目のパワーユニットを投入しました。今季は全レース数がいまだに固まっていません。今のところは13戦が確定してますが、15戦以上になれば年間3基の使用数になる。そういう状況で、2基目投入を決めました。


──年間3基になることを見据えて、今回2基目を投入したということですか。


田辺TD:いえ、そうではありません。あくまで2基で、やりくりをしていくということです。たとえばあと5戦したら3基目を入れるとか、そういうことではありません。


──ということは、戦略的にはどういう意味があるのでしょうか。


田辺TD:今年はパワーユニットに関して、シーズン中の性能向上を目的とするアップデートが禁じられていますよね。つまりシーズンを通じて、同じスペックを使い続けることになる。そんななか2基目の準備を含めて、供給体制が整ってきた。だったら早めに2基目を入れて、この先はレースごとに2基のPUをやりくりしながら戦っていこうと、そういうことです。今日は2基目、予選とレースでは1基目という使い方は、十分に考えられます。


──今日は2基目のPUを1日通して使ったんですね。


田辺TD:はい。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第5戦70周年記念GP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


──ドライバーはおしなべて「充実した1日だった」というコメントでしたが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は走行距離が短かった。何かあったんでしょうか。


田辺TD:いえ。車体もPUも、いっさい問題ありませんでした。


──今週末は暑いということですが、PUの使い方で変更は?


田辺TD:それもないです。暑いとはいえ、予想気温が30度程度ですから、対策を考えるほどではない。通常通りの使い方です。


──今季のメルセデスがどれほど冷却に問題があるのかわからないですが、「暑い状況では多少差が縮まるはず」と、レッドブルのドライバーがコメントしています。今年は、そういう傾向がありそうですか。


田辺TD:まだ暑い状況でレースをやってないので、わからないですね。どの温度領域に、メルセデスがクルマを合わせてくるのか。年に数回しかない高温コンディションを考えたクルマ作りをしているのか。去年を踏まえて、ある程度対応しているのか。その辺りは気温38度とかで走ってみないと、実際のところは見えない。ただ、指をくわえているとも思えません。あくまでPU観点ですけどね。車体、タイヤは、また別の話です。ドライバーたちは、そこを含めて言ってるのかもしれません。

2020年F1第5戦70周年記念GP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第5戦70周年記念GP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第5戦70周年記念GP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)



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