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急逝した今宮純氏への佐藤琢磨の言葉「今宮さんの記事を読んでF1を勉強した。感謝の言葉しかない」
2020年1月15日
令和2年となって、新年早々に流れたジャーナリスト今宮純氏の訃報。あまりに突然なニュースに、モータースポーツ界にも大きな動揺が広がった。
アメリカから帰国し、正月は日本で休養していた佐藤琢磨にも、その訃報は届いた。琢磨が驚いたのも当然だった。
「知らせを聞いて本当に驚きましたし、なんと言ったら良いか、言葉もありませんでした……」
琢磨は毎年12月にファンクラブミーティング(Takuma Club Meeting/TCM)を行っているが、今年も今宮さんは夫人の雅子さんを伴って会場で観覧していた。
「TCMには時間の許す限り毎年のように来てくださっていました。今年も会場に来てくれて、それがお会いした最後になりました」と琢磨の表情も寂し気だ。
ファンクラブミーティングの会場に現れた時にはファンと写真を撮ったり、サインにも気軽に応じ、ファンとの交流を楽しんでくれていた。
琢磨が初めてF1を目にしたのは1987年の日本GP。その年以来、日本ではフジテレビのF1全戦中継も始まり、今宮さんのF1解説とともにF1ブームへまっしぐらと突き進んでいった。
「僕が今宮さんの名前を知ったのは、F1中継をテレビで見て、雑誌でいろんな記事を読むようになってからでした。あの低い独特の声の解説を聞きながら、(アイルトン)セナの走りを見ていたし、今宮さんの記事を読んだりしてF1の事を勉強していきました」
「もちろん僕だけではなくて、日本国中の若者がそうだったでしょうし、今宮さんはF1ブームの火付け役、牽引者でした」
琢磨が今宮さんと交流するようになったのは、イギリスF3を戦っていた時だ。
イギリスGPのサポートレースで勝利した時には今宮さんの取材も受け、その後も「F3の現場には来れなくても、僕のリザルトを知っていてくれた」と言う。
2002年に琢磨がジョーダン・ホンダのレギュラードライバーとなると、毎戦のようにTV取材なども始まり、囲み取材に顔を出す今宮さんがいた。それ以来、2008年にスーパーアグリがF1から撤退してしまうまで、今宮さんは全戦取材をすることになる。
2010年に琢磨はインディカー・シリーズに舞台を移すが、今宮さんは常に琢磨の成績を追っていた。
筆者がインディカー・シリーズの合間にF1の取材に行くと、今宮さんは「琢磨君、この間のレースは良かったねぇ」とたずねてくれた。忙しい合間にもインディカーの中継とリザルトを欠かさずチェックしていたのだ。
その今宮さんが、夫人の雅子さんと共に、琢磨を追って幾度かインディカーの取材に来ている。カナダGPに行く前週に立ち寄ったミルウォーキーでは、前時代的な小さなプレスルームの中で席を取りながらも、観客席へ移動して俯瞰しながらレースを見たり、アクティブに取材をしていた。
また2016年には、インディ500の100回大会にも取材に来ていた。今宮さんはフジテレビでF1解説のレギュラーとなる前は、TBS系列で中継していたインディ500の現地レポーターを務めていたこともある。年配のレースファンならご記憶の方も多いだろう。
琢磨はアメリカに取材しに来てくれた今宮さんを思い出しながら回顧する。
「毎年モナコGPとインディ500は重なっているから、取材に来られないと思っていたのに、モナコを休んでまでわざわざインディアナポリスまで来てくれたのは、うれしかったですね」
「その年は良いリザルトは残せなかったけど、翌年にインディ500で勝った時には、本当に喜んでくれました。やはりF1時代から長く取材や応援してもらってる方々に、勝利を喜んでもらえるのはうれしかったです」
長く琢磨と付き合って来た今宮さんだけに、思い出も記憶に残る出来事も多い。
つまりそれは、琢磨が今宮さんを失ってしまった悲しみの大きさを意味することになる。それはレースファンも同じだろう。
「今となっては、感謝の言葉しかありませんし、もうお会いできないかと思うと本当に残念ですが、これからもF1とモータースポーツを温かく見守ってくださってると思います。純さん、本当にありがとうございました。また、ご遺族のみなさまにも心よりお悔やみ申し上げたいと思います」
もし今シーズン琢磨が今宮さんの霊前に吉報を届けることができるのなら、今宮さんにとってもそれ以上の喜びはないだろう。
(Photo&Text Hiroaki Matsumoto)
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