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レッドブル・ホンダ密着:最速マシンを活かせずメルセデスに完敗。結果的に失敗だった2ストップ作戦/F1メキシコGP日曜

2019年10月28日

 レース後、メディアの取材を終えたマックス・フェルスタッペンは、チームのホスピタリティハウスへ帰ると、待っていたクリスチャン・ホーナー代表とヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がいるテーブルに座った。そして、身振り手振りを交えて、しばらく話し込んでいた。


「6位という結果は今週末のメキシコGPに持ち込まれたマシンで、僕らが望んでいた結果ではない。僕のスタートは良く、ルイス(・ハミルトン)はフェラーリによって外側に押し出されたんだと思うけど、少し勢いを失っていた。彼は1コーナーで外側から戻ってきて、ポジションを守るために2コーナーに少しアグレッシブに入ってきた。僕は彼を避けるためにランオフエリアに出ることになってしまった」


「バルテリ(・ボッタス)をオーバーテイクするまではまだ戦えていた。でも、5周目のスタジアムセクションで彼のフロントウイングが僕の右リヤタイヤに当たり、パンクした。パンクに気がついたときには、もうストレートを走っていたので、ピットに戻るのに丸々1周走らないといけなかった。それで僕のレースは終わった」

2019年F1第18戦メキシコGP決勝 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のタイヤがパンク
2019年F1第18戦メキシコGP決勝 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のタイヤがパンク


 レース後、こう語ったフェルスタッペンのコメントから察するに、スタート直後の2コーナーでのルイス・ハミルトン(メルセデス)に押し出された件と5周目のスタジアムセクションでのバルテリ・ボッタス(メルセデス)との接触について、ホーナーとマルコと話し合っていたと思われる。


 フェルスタッペンと接触したハミルトンはその後、優勝し、ボッタスも3位表彰台を獲得したことを考えれば、フェルスタッペンが、そう考えるのも無理はない。


 ホーナーも次のように語って、フェルスタッペンが6位に終わったレースを悔しがった。


「マックスのタイヤ交換した後のペースが、ラップリーダーから約2秒速かったことを考えれば、今日の結果は残念というしかない。今週末、われわれには非常にコンペティティブなマシンがあった。それを可能にしてくれたのが、エンジンパフォーマンスがとても良かったからだったことは言うまでもない。ホンダはこの高地に対して、とても良い準備をしてくれた。もちろん、われわれの空力パッケージも良かった。ここはモナコ同様、最大のダウンフォースを必要とするサーキットだからね」

■2ストップ作戦で順位を下げたアレクサンダー・アルボン

 しかし、フェルスタッペンが後方に沈んだ後も、この日のレッドブル・ホンダにはまだチャンスが残っていた。それはチームメイトのアレクサンダー・アルボンがレース序盤に3番手を走行していたからだ。ところが、レッドブルはアルボンに2ストップ作戦を採らせ、結果的に5位に終わった。ポールポジションからスタートし、序盤先頭を走っていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)も4位に終わり、トップ3がいずれも1ストップだったことを考えれば、この日のレースは1ストップ作戦が正解だった。

2019年F1第18戦メキシコGP決勝 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第18戦メキシコGP決勝 アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


 アルボンを2ストップから1ストップに切り替えることは考えなかったのかと尋ねると、ホーナーは次のように回答した。


「最初から2ストップで行くと決めていた。だから早めにアレックスをピットに呼び入れた。その時点でわれわれはアレックスにスタート時に履いたコンパウンドと同じミディアムタイヤを装着させていた。その後、1ストップの方が早いことが判明したが、アレックスは異なるコンパウンドのタイヤに履き替えるためにもう一度ピットストップしかなく、1ストップに変更することはできなかった」


 つまり、もしフェルスタッペンが2台のメルセデスと接触していなくとも、レッドブルはフェルスタッペンにも2ストップ作戦を授けていた可能性は高く、そうなっていれば、フェルスタッペンもルクレールの後方でチェッカーフラッグを受けていたことになる。つまり、戦略的にもやや疑問が残るレースを行なっていた。


 土曜日の予選で、フェルスタッペンは予選で最速タイムをマークしながら、黄旗区間の減速が十分ではないという理由から3番手降格のペナルティを科せられ、4番手からスタートした。さらに、レースでは接触という不運に見舞われた。レースで勝利するためには、速いマシンを準備するだけでは十分ではない。そのマシンを約300kmのレースで最も早くチェッカーフラッグを受けさせるための最適な戦略と、速いマシンを乗りこなし、正しい戦略を遂行できる優れたドライバーが必要となる。


 メキシコGPでのレッドブル・ホンダは最速タイムを刻む速さがあった。しかし、戦略とドライバーの能力という点で、メルセデスに完敗していたといっていいだろう。



(Masahiro Owari)


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