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チームオーダーで混乱、後手の対応で掴みかけていた勝利を取りこぼしたフェラーリ【今宮純のF1ロシアGP分析】
2019年10月1日
2019年F1第16戦ロシアGPは、メルセデスのルイス・ハミルトンが逆転優勝を果たした。一方で優勢と思われたフェラーリはシャルル・ルクレール3位、セバスチャン・ベッテルはリタイアという結果に。F1ジャーナリストの今宮純氏が週末のロシアGPを振り返る。
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ロシアGPはフェラーリにとってまるで坂道を滑り落ちていくようなレースだった。4戦連続ポールシッターのルクレールだが、終わってみれば表彰台の片隅でひとりで立っていた。ほぼレース半分の25周をリードしたベッテルは15コーナーで消えた。
3連勝中だったフェラーリの『負けパターン』。後手にまわった戦略やパワーユニット(PU/エンジン)に起きたトラブル、飛び交う無線の“混乱”……。うまうまとメルセデスは予選2番手と5番手から今季8度目の1-2フィニッシュ、16戦での達成率はじつに50%(!)。これこそ地力の証と言える『勝ちパターン』、コンストラクターズV6に王手をかけた――。
スタートシグナルがやや長めに感じられた。15番グリッドのライコネンが明らかな“フライング”をしていたが、そのまま正規スタート手順で進行。最もいいダッシュを見せたのは5番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)だ。2番手ハミルトンは左側から来る彼を警戒しつつ、3番手ベッテルのトーイングには入れない。こうした動きはPPルクレールには見えていなかったのだろう。
左サイドから彼は遅いブレーキングで、スペースをベッテルのために空けたまま2コーナーへ。ハミルトンは切れ込めず3番手に下がり、ベッテルを行かせたルクレールは2番手だ。彼は事前の“ミーティング”でベッテルのアシスト役を了解、それをこなした(つもりでいた)。
4コーナーでダニエル・リカルド(ルノー)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ロマン・グロージャン(ハース)の3台が接触事故を起こしすぐにセーフティカーが導入される。これでは譲ったルクレールとトップを走るベッテルの間で“順位戻し”はできない。
3周目にリスタート、ここからベッテルはベストラップを連続し、ルクレールに順位を譲るよう指示するチーム側からの無線にネガティブな反応をつづけた。10周目には2.726秒、15周目には3.659秒、20周目には4.387秒のリード。
飛ばすベッテル、疑心が広がるルクレール。対する3番手ハミルトンは様子をうかがいつつ3秒圏内でフォロー。もし先頭ベッテルがルクレールに譲るために徐行したなら、前2台に襲いかかれるギャップである。このハミルトンの追跡、フォローペースはしたたかだ。
ベッテルの背後にいたルクレールはソフトタイヤが過熱症状となり、22周目にミディアムタイヤへ交換(静止時間2.5秒)。ベッテルに対して“アンダーカット”にはなるがここからあと30周以上は長すぎる。フェラーリ側はこれで順位入れ替え(オーダー処理)をしたわけだが、ややリスキーな判断だった……。
■メルセデス逆転のきっかけとなったベッテルのトラブル
すると首位ベッテルもペースがしだいにダウン(0.5秒以上)。序盤に逃げようとしたツケがまわり、26周目にピットへ(静止時間3.0秒)。ルクレールの後方となった彼だがパワーユニットにMGUーK(運動エネルギー回生システム)の異常データが確認された。
ピットまで戻れるか、直ちにストップさせるか――。緊急判断は27周目、「15コーナーで避難路に停止せよ」、ピットまであと100mでもそうせざるを得なかった、とマッティア・ビノット代表は語っている。ハイブリッドPUの高圧電流系トラブルの恐れがあり、ベッテルはガードレール奥まで行かずに止め、コクピットから飛び降りるほかなかった。コース脇に停車されたままなので15時01分にバーチャルセーフティカー(VSC)発動――。
待っていたとばかりにメルセデス軍団が動く。ここまでミディアムでステイアウトさせてきたのはVSCやSC導入チャンスをうかがっていたから。その絶好機をフェラーリからもらったのだ。
VSC中の28周目、首位ハミルトン(静止時間2.6秒)、2番手ボッタス(静止時間2.5秒)がダブルストップを実行。クルーメンバーたちは正確にソフトへの交換をこなした。ピットストップ後ハミルトンは首位を維持、ボッタスは3番手となった。こうなるとルクレールは“1対2”の終盤スプリントレースに。
さらに15時04分、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)の事故によりSC導入だ。31周目、ミディアムを履いていたルクレールは2度目のピットインで同じメルセデス勢と同じソフトへ交換(静止時間2.5秒)、3番手に下がるが他に選択肢はない――。
SC導入が解除された32周目にリスタート。1番手ハミルトン〜2番手ボッタス〜3番手ルクレール、ここからいい仕事をしたのがボッタスである。35周目と39周目にはDRS圏内に接近されるが、しのいだ。そしてその後も1秒以上のギャップを固くに守りぬく。
ハミルトン護衛兵の役割を果たし、彼自身6度目の2位で“1-2”をまっとうしたボッタス。テニスの最強ダブルス・コンビのようにふるまった終盤の20ラップ、メルセデスペアの強さとチーム・オーガナイズの組織力を思い知った。いよいよ<コンストラクターズV6>へカウントダウン――。
(Jun Imamiya)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 324 |
2位 | ランド・ノリス | 293 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 230 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 194 |
5位 | シャルル・ルクレール | 163 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 117 |
7位 | アレクサンダー・アルボン | 70 |
8位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 66 |
9位 | アイザック・ハジャー | 38 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 617 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 280 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 260 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 86 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 62 |
7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 61 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 55 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 44 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

第16戦 | イタリアGP | 9/7 |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9/21 |
第18戦 | シンガポールGP | 10/5 |
第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |

