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山本尚貴インタビュー(2):ホンダとレッドブルの支援に感謝「31歳でF1に乗るのは、遅くはないと言えるようにしたい」

2019年8月2日

 2019年F1第11戦ドイツGPに、全日本スーパーフォーミュラ選手権およびスーパーGTのディフェンディングチャンピオンである山本尚貴が訪れていた。現在ホンダとともにF1にチャレンジするための準備をしているという山本尚貴だが、7月23日にはレッドブルで初めてF1シミュレーターにも搭乗している。


その時の状況とシミュレーターの手応えを聞いた。
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ーー実車とシミュレーターでは違うとは思いますが、同じ鈴鹿サーキットを走ってみて、スーパーフォーミュラとF1のシミュレーターではどう違いましたか。
山本尚貴:まず、ラップタイムがF1のほうが圧倒的に速い。だいたい10秒速いので、流れる景色がまったく違います。スーパーフォーミュラですら、結構速くてクルマをコントロールするのが難しいんですが、F1はそれより10秒速い。


 加えて、僕がいままで乗ってきたレーシングカーというのは、よりシンプルで、ブレーキとアクセルとステアリングを上手に使ってコントロールするだけでしたが、F1はその間に適切なマッピングを使うようチームから指示を受けながら走る。


 コックピットのなかで行うマッピング変更が、セッティングのアイテムの1つになっている。しかもそのマッピングは1つではなく、いくつもある。だから、マシンをコントロールする腕だけでなく、頭を使わないといまのF1は速く走らせることができないというところが、最大の違いです。


ーー10秒速いというのは、具体的にラップタイムはいくつぐらいだったんですか。
山本尚貴:(1分)30秒は切っていました。(編注/鈴鹿のコースレコードは2017年日本GP予選でポールポジションを記録したルイス・ハミルトンの1分27秒319で、昨年の予選Q1カットオフタイムは15番手のランス・ストロールの1分30秒317だった。)


ーーS字はどうでしたか。
山本尚貴:いままではブレーキを使って荷重移動させたり、ブレーキを使うことが僕のなかでは1つの操作方法のセオリーだったんですが、いまのF1はパワーユニット(PU/エンジン)の回生がある。


 だから、制動力をブレーキペダルだけに頼るんじゃなくて、回生も頭に入れておかなければいけないし、それをうまく使えば、クルマのコントロールにも使えます。その感覚はいままでなかったので、そこは慣れるのに時間がかかりましたが、うまく順応して対応はできたと思います。


ーーヘルメットやレーシングスーツなどのレーシングギアは何を着用したのですか。
山本尚貴:レッドブル側ですべて用意していてくれました。ただ、僕はダイレクトに操作する部分となるグローブとシューズは自分のものを持っていき、それを使わせてもらいました。

■ヘルムート・マルコ博士は山本尚貴のレース内容と結果を評価

ーー目標は鈴鹿のフリー走行1回目を走ることではなくて、あくまでF1ドライバーになることだと思うのですが、そうなるとどうしても年齢的なところがネックになると思いますが、そこのところはどのように考えているのでしょうか。
山本尚貴:スポーツ選手としては、年齢は避けては通れない部分であることは確かです。皆さんは若いほうがいいと思われますが、じゃあ僕が10年前ここにいたら、いまとおなじスピード感とセッティングの能力、語学力も含めたコミュニケーション能力が足りてたかっていうと、残念ながら足りてなかったと思います。


 僕がいまレッドブルでシミュレーターに乗れたのも、10年間国内でプロとして活動させてもらってからこそできたのだと思います。僕がいま40歳や50歳というのなら、話は少し違ってきますが、31歳がどうかというと、F1ドライバーになるのに若くはないけれど、遅くもないと言えるようにしたい。


 それにF1を取り巻く状況というのは、常に変化しています。2018年のアブダビGPのときは、マルコ(レッドブルのモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ)さんに年齢のことをまず言われ、「年齢ってやっぱり大切なんだな」って思っていたんですけど、今回来て話をさせてもらうと、(マルコさんは)スーパーフォーミュラのレースもよく見ていて、僕のレース内容と結果を純粋に評価してくれました。


 だから、マルコさんの気持ちを変えられたっていうのは、僕にはうれしかった。単純に年齢で割り切ってるんじゃなくて、きちんとレースを見てると、僕は感じました。


ーーこれからが本当の勝負ですね。
山本尚貴:いま僕は国内でレース活動をしているので、F1だけに100%専念できないという難しさはあります。でも、レッドブルのシミュレーターに乗るなんて誰にでも経験できるわけじゃないし、(ホンダやレッドブルが)バックアップしてくれていることに対して感謝しています。


 だからこそ、このチャンスを自分で掴みとりたい。それは自分の夢のためでもあるし、国内のモータースポーツの発展のためでもあります。そういった責任と思い、高い志を持ってやっていきたいですね。

2019年F1第11戦ドイツGPに訪れた山本尚貴
2019年F1第11戦ドイツGPに訪れた山本尚貴



(Masahiro Owari)


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