F速

  • 会員登録
  • ログイン

F1技術解説 レッドブル・ホンダ躍進の秘密(その1):規約の限界まで攻めたフロントホイールで空力性能を向上

2019年7月26日

 レッドブルは第9戦オーストリアGPで一気に戦闘力を上げ、それが同GPでの今季初優勝に結びついた。前線フランスGPでのアップデートだけでは十分でなく、オーストリアでの矢継ぎ早の新パーツ投入が功を奏したのだった。では具体的に彼らは、レッドブルRB15にどんな改良を加えたのか。フランス、オーストリアのアップデートを、それぞれ解説してみよう。


1)フロントホイール

オーストリアGPでアップデートされたレッドブルのフロントホイール(左が古い仕様。右が最新パーツ)
オーストリアGPでアップデートされたレッドブルのフロントホイール(左が古い仕様。右が最新パーツ)


 レッドブルがフランスGPで投入した数々の空力アップデートには、なかなか興味深いものが多い。そのひとつが、新形状のフロントホイールである。


 ホイールのスポークは旧型同様9本のスポークを持つ。しかし各スポークは極限まで細く、中心部に向かって大きな空間が開けられた(上段の写真2枚の白矢印参照)。さらにハブの直径も格段に細くなった(緑矢印参照)。その結果、ホイール内側には旧型よりはるかに多くの空気が入り込むようになった。


 この処置はいうまでもなく、ブレーキ冷却よりも空力性能の向上を狙ったものだ。前輪の回転で発生する乱流をマシンの両側に飛ばす、いわゆるアウトウォッシュ効果を狙った中空のハブは、今季から禁止された。正確にはホイール中心部の内側、直径10.5cmの範囲内を空気が流れることが禁止されたのだ。


 そこで各チームはホイール中心部ではなく、ブレーキディスク周縁を空気が迂回して流れるようにした。昨年ほどの効果は期待できないものの、それでもいくらかのアウトウォッシュは見込めるのだ。


 それをレッドブルは今回のアップデートで、ホイール内側の中心部、直径10.5cmぎりぎりまで空気を流れ込ませることに成功した。ディスク中心部の無数の穴も大きくなったことで、乱流による影響はいっそう小さくなっている(赤矢印)。


 さらにより多くの空気を取り入れるため、ブレーキダクトの形状も見直された(下4枚の写真参照)。新型はより幅広く、開口部は5つから6つに増やされた。それぞれがディスクとホイール中心部双方に、空気を送る働きをしている。

ブレーキダクト(左が旧仕様。右が新仕様)
ブレーキダクト(左が旧仕様。右が新仕様)


(F1技術解説その2に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ:Kunio Shibata)


レース

5/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/31(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/1(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ186
2位ランド・ノリス176
3位マックス・フェルスタッペン137
4位ジョージ・ラッセル111
5位シャルル・ルクレール94
6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー16
9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
10位BWTアルピーヌF1チーム11

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第9戦スペインGP 6/1
第10戦カナダGP 6/15
第11戦オーストリアGP 6/29
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号