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ホンダ山本雅史MD優勝インタビュー(2):表彰台で『H』マークを指さすフェルスタッペンの配慮にも脱帽。「本当に21歳なのかと」

2019年7月3日

 F1第9戦オーストリアGPの優勝の興奮冷めやらぬ中で行われたホンダF1の山本雅史マネージングディレクターへのインタビュー第2弾。レース後半にライバルを次々とオーバーテイクする力走を見せただけではなく、表彰台でホンダのロゴを指さすマックス・フェルスタッペンの配慮にも脱帽していた。


 このインタビューの時点ではまだ裁定結果は出ておらず、フェルスタッペンはシャルル・ルクレール(フェラーリ)とのオーバーテイクの際の接触によって、ペナルティで勝利を失う可能性もあった。だが山本MDにとっては、マックスの正しさは自明のことだったようだ。(※その後、ルクレールとフェルスタッペンの接触はレーシングインシデント判定され、ペナルティが科されないことが正式に決定した。)


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――フェルスタッペンはあれだけアグレッシブなドライビングをレース序盤から続けて、最後までタイヤを持たせたことにも驚かされました。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):レッドブルの戦略も、いつもながらよかったですね。フェラーリはソフトタイヤを選んだのに対し、ミディアムタイヤスタートのマックスは、ルクレールの9周後にピットインしました。その9周のタイヤのマージンも、少なくなかったと思いますよ。


――ただ、ルクレールはオープンエアで走ることが多かった。タイヤの持ちで、前にマシンがいる状況のフェルスタッペンとはダウンフォースの違いは大きかったはずです。
山本MD:たしかにそうですね。


――この暑さで前のクルマに詰まると、タイヤだけでなくエンジンやブレーキの冷却にも大きな影響が出ます。ルクレールはそこから比較的自由でした。
山本MD:ただ、マックスが特徴的だと思ったのは、ターン9で丘から下って行くところがありますよね。あそこでマックスだけは、1回マシンを右に寄せて走行ラインを変えるんですよ。


 あれはひょっとして、クーリングのためなのかな、と思いました。前のクルマの熱を拾わないようにね。毎ラップ、そうやっています。一方、他のドライバーは、やっていません。もしエンジンなどを少しでも冷やそうとして意識的にラインを変えているのだとしたら、本当にマックスは凄いですよ。

2019年F1第9戦オーストリアGP 決勝後のマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第9戦オーストリアGP 決勝後のマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)

フェルスタッペンの気遣いに驚くホンダF1山本雅史MD、チームメイトのガスリーにも期待

――表彰台では、フェルスタッペンはレーシングスーツのホンダのロゴを指差していましたね。
山本MD:ホンダにすごく気を遣ってくれています。コース内外のあの成熟ぶりは、「本当に21歳なの?」と、いつも思います(笑)。実は人生、何回か生きているのではと思ってしまいます。


――ルクレールとフェルスタッペンは、速さとしてはいずれも甲乙つけがたい未来のチャンピオン候補だと思うのですが、今回に限ってはフェルスタッペンの圧勝でした。
山本MD:凄いですよ。少し感動しました。(バルテリ)ボッタス(メルセデス)を追いかけ始めてからの速さは、尋常じゃなかったです。


――(セバスチャン)ベッテル(フェラーリ)の抜き方も、状況に応じて変幻自在でした。
山本MD:うまいですよね。仕掛け方も凄いし。


――今はまだ審議は出ていないんですが、これでもしペナルティを受けたら納得はいかないですか?
山本MD:もちろんです。カナダGPでのベッテルのペナルティ(コースをはみ出して後ろのルイス・ハミルトンの走行ラインを妨害)とは状況が違いますからね。あれでペナルティだと、レースでインが刺せなくなります。


――最後にひとことだけ、今回の(ピエール)ガスリーについて感想をお願いします。
山本MD:7位に終わったのは残念でしたけど、個人的にはずっと応援しています。今は逆風が吹いていますが、頑張ってほしいと心から願ってますよ。決して、このまま終わるドライバーじゃありません。

2019年F1第9戦オーストリアGP 優勝後、ホンダの山本雅史F1マネージングディレクター(左)、田辺豊治F1テクニカルディレクター(右)ががっちり握手
2019年F1第9戦オーストリアGP 優勝後、ホンダの山本雅史F1マネージングディレクター(左)、田辺豊治F1テクニカルディレクター(右)ががっちり握手



(Kunio Shibata)


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