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タイトル争いが決着、2018年はレース巧者ぶりを見せつけたハミルトン【今宮純のF1メキシコGP分析】
2018年10月30日
2018年F1第19戦メキシコGPは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。ルイス・ハミルトンは4位でフィニッシュして見事F1タイトルを獲得した。F1ジャーナリストの今宮純氏がメキシコGPを振り返る。
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新グレート・チャンピオン、ルイス・ハミルトン――。速さで2冠、強さで4冠、そして2018年は巧さで5冠達成。自らを高めていった12年目の『ベスト・シーズン』。
勝ってタイトルを決めたケースは過去68年間にちょうど半数の34回、ハミルトンは14年と15年に2回ある。
2008年はブラジルGPの5位、昨年はメキシコGP9位、今年は4位で決定。本人も認める「最悪なレース展開」、勝者フェルスタッペンから1分18秒以上も遅れた。昨年はフェルスタッペンに1周遅れにされてゴールにたどり着いている。
午後1時13分過ぎ、3番グリッドからハミルトンは前を塞ぐレッドブル2台の間を突き破った。
ポールポジションであるダニエル・リカルド(レッドブル)のレスポンス・タイム(反応)がやや劣り、ホイールスピンもあって加速が鈍った。真後ろでそれを見てとり、たちまち右から抜いた集中力の密度。もっとも危うい1コーナーまでの890メートルはさらに集中。
2番グリッドからフェルスタッペンが一直線にインサイド・ラインをキープ。1コーナーに向かって右にフェルスタッペン、中央にハミルトン、左にリカルド、背後にベッテルとボッタスが続く……。
アプローチ態勢でハミルトンは左にそれるように進み、右側にいる相手とのスペースをとった。
もし相手が減速のはずみで姿勢を乱しても避けられるように。巧いサキヨミ“防衛”だ――。オフラインを直進するフェルスタッペンは、挑発するかのように渾身の深いブレーキングでトップへ。
71周レース最初のコーナー、もっとも危ういここで昨年の二の舞(ラインを譲らず接触)は避けた。
今日は勝つためではなく、決めるためのレースなのだ。その自制心でサッと2番手につけるとリカルドを必要充分な間隔で抑え、これから予想される“タイヤ・マネージメント”にそなえた。
モンツァではスタート後の序盤、トップを走るキミ・ライコネン(フェラーリ)に1秒前後で位置をフォローしたが、メキシコでは2秒、3秒とギャップを広げられていった。
レッドブルの後方だとフェラーリより乱流の影響が感じられ、フロントウイングが微妙に揺れる。若干アンダーステアが出始めて前輪に“ささくれ摩耗”が進行、メルセデス陣営が怖れていた事態が早くも起きつつあった。
10周目、フェルスタッペンとは、4.959秒差となった。11周目、メルセデスはハミルトンとボッタスの2台同時ピットインを実行。苦戦覚悟のレースマネージメントを強いられる状況に。
コクピットにいるドライバーは孤独だと昔から言われている。1950年代の5冠王ファン・マヌエル・ファンジオのころには、もちろんピットとの無線交信などありえずサインボードが唯一の手段でしかなかった。
ハミルトンはピットに居るエンジニアと中盤、頻繁に交信をつづけながら走行。後半に入った46周目、さらに危機が襲う。
追い込んできたリカルドに1コーナーでアウトから仕掛けられ、接触を避けようと減速してロックアップ。コースを外れオーバーラン、危なかった。
47周目、1分27秒もかかってピットへ。新しいウルトラソフトタイヤに交換、これでなんとか走り切るしかない。
既に2番手まで挽回していたベッテルがこの周に2度目のピットインを完了、彼より下位に落ちるのがほぼ確実に。ということは『絶対条件』である7位以内完走を果たさねばならない。
コクピットの彼よりピットやファクトリーで見守るすべてのスタッフのほうが、むしろ重たいプレッシャーをここから意識したことだろう。
終盤にリカルドが消え4番手に上がると、ハミルトン自身は3番手のライコネンをペースメーカー役にゴールをめざした。変調するタイヤを労わり、ゆっくりステアリングを操作しながら。
71周レースを走り切ったのは4位ハミルトンまで。5冠王に向けて、チェッカー担当マーシャルは両手で大きくフラッグを振った。同時に歓声が湧き上がった。
――表彰セレモニーの前、5冠新王ハミルトンと4冠旧王ベッテルがしっかりと抱き合った。タイトル争いは終わったのだ。達成感と虚脱感。ふたりのシーズンを象徴する啓示的なシーンだと思った。
(Jun Imamiya)
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4/18(金) | フリー走行1回目 | 22:30〜23:30 |
フリー走行2回目 | 26:00〜27:00 | |
4/19(土) | フリー走行3回目 | 22:30〜23:30 |
予選 | 26:00〜 | |
4/20(日) | 決勝 | 26:00〜 |


1位 | ランド・ノリス | 77 |
2位 | オスカー・ピアストリ | 74 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 69 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 63 |
5位 | シャルル・ルクレール | 32 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 30 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 25 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 18 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 151 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 93 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 71 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 57 |
5位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
6位 | ウイリアムズ・レーシング | 19 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 7 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

