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トロロッソ・ホンダF1密着:ブレーキのトラブルで消化不良となったロシア決勝、次戦の鈴鹿で挽回を狙う

2018年10月1日

 つまずきはスタートから始まった。17番グリッドのピエール・ガスリーがスタートで出遅れたのだ。


「回転が若干、足りなくて、クラッチをつないだ瞬間に失速して、アンチストールが作動しました」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)


 クラッチをつなぎ直してスタートしたガスリーだが、いきなり最下位に転落した。
 3周目、最後尾からスタートして19番手を走行していたブレンドン・ハートレーがピットイン。ハイパーソフトからソフトにタイヤを交換してコースに復帰した。


「僕たちはちょっと大胆な戦略にチャレンジして、このソフトタイヤでチェッカーフラッグまで走る予定にしていたんだ。ロングランでタイヤの持ちとペースは良かったから、この戦略はうまくいくと思っていた」というハートレーだが、コースインした直後の最初のブレーキングとなる2コーナーで止まりきれずにスピンしてしまう。


「ブレーキペダルが完全にフロアについてしまい、リヤがロックしてしまいスピンした」というハートレーはその周にピットインして、そのままマシンをガレージに入れてリタイアした。


 一方、チームメイトのガスリーもほぼ同じタイミングで、4コーナーで派手にスピンしていた。
「レースのスタート時からブレーキペダルが変な感じで、あの周に突然悪化した。3周目のターン4でブレーキを踏んだらペダルが完全に底をついてしまい、フロントブレーキがなくなってリタイアすることになった」(ガスリー)


 現在のF1マシンのブレーキは、リヤがBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)によって、従来のブレーキとMGU-Kによる運動エネルギー回生システムの2つのブレーキを協調制御している。


 ただし、今回のトラブルは「BBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)は正常に働いていました」と田辺TDが言うように、BBWの問題ではなく、単なるフロントブレーキの機械的なトラブルだったようだ。


 早々にリタイアしたロシアGPのトロロッソ・ホンダ。この悔しい思いは、次の日本GPにぶつけてほしい。


「ホンダにとって鈴鹿はホームレースですから、緊張感が高まっています。鈴鹿は日本人だけでなく、多くのドライバーや世界中のF1ファンから愛されているサーキットです。それはコースレイアウトの素晴らしさだけでなく、ファンの皆様の熱い声援があるからだと思っています」


「ロシアGPの金曜日に投入した新しいスペックは残念ながら、予選とレースでの使用は見送ったのですが、日本GP投入までには準備を整えて、トロロッソのスタッフにも協力していただいて、何が何でも鈴鹿に投入したいと考えています」(田辺TD)


 ロシアGPは終わった。いざ、鈴鹿へ。



(Masahiro Owari)


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