最新記事
- フェラーリ、サインツのために前例のない送別...
- メルセデスを離れるハミルトンがフェアウェル...
- 【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年...
- FIA会長が新たな口撃。常任スチュワードを望...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】ふたりの...
- フェルスタッペン、ルワンダで草の根レベルの...
- 【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリが...
- 11番目のF1チーム、社名から正式にアンドレッ...
- キャデラックF1は経験あるドライバーとアメリ...
- 角田裕毅が明かすヨーロッパ生活。顔パスで「...
- 【動画】2024年FIA授賞式:26年ぶり王座のマ...
- アイルトン・セナとの思い出を中嶋悟、佐藤琢...
マシンバランスの課題を克服し、万全の体制で勝利を掴んだメルセデス【今宮純のF1シンガポールGP決勝分析】
2018年9月18日
2018年F1第15戦シンガポールGP決勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンが前戦に続き連勝。フェラーリのセバスチャン・ベッテルは3位となりチャンピオンシップ争いで苦しい立場となってしまった。F1ジャーナリストの今宮純氏がシンガポールGPを振り返り、その深層に迫る──。
———————————
2018年シーズンのF1は残りあと6戦、ハミルトンがベッテルを40点リード。
これは2015年シーズンのハミルトン vs ニコ・ロズベルグの“41点差”に匹敵、ラスト3戦を前に三冠目を獲得している。シンガポールGPで今季7勝、この5戦に固めて4勝の強さ。
メルセデスは地に足つけた周到なチーム力によってハミルトンを支え、一方フェラーリは浮足立ちベッテルを支えきれていない……。その違いが終盤になって露わになりつつある。
タイヤ選択から両チームの『シンガポール戦法』は分かれた。メルセデスはハイパーソフトタイヤを6セット(最も少ない)、ウルトラソフトタイヤを4セット、ソフトタイヤは3セット。フェラーリは順に9セット(最も多い)、3セット、1セット(最も少ない)。
フェラーリは明らかにソフトは切り捨て、その分ハイパーソフトに振った。いちばん柔らかいスペックを多く選択するのはイタリアGPと同じ、予選重視なのは明らか。
メルセデスはいままでここでリヤタイヤのオーバーヒートに苦慮、一貫したマシンバランスを見いだすのに悩んできた。
その課題を克服すべくソフトを多めに選択、ベースセッティングをしっかり練り上げる戦法をとった。ちなみにソフト3セットはここで勝機に挑むレッドブルと、タイヤに厳しいルノーもそう。
金曜FP1から彼らはソフトだけを用いてふたりが28周、レース距離にほぼ等しいラップ数をカバー。
夜間セッションではない夕方コンディションだが1分41秒台を確認。“2ランク”柔らかなハイパーソフトを想定すると1分39秒台に相当、トップのダニエル・リカルド(レッドブル)と同等、フェラーリを上回る。
この時点で彼らは課題を克服するメソッドを構築、じっくりFP2と土曜FP3でショートラン研究に移行する。
どちらのセッションもフェラーリ勢がトップ、ふんだんにハイパーソフトがある。だがこの2セッションでセクター2と3の最速タイムはメルセデス、直線主体のセクター1で常に最速だった彼らがフェラーリに譲り、コーナー主体セクターでまさった。
1周23コーナーあるうちセクター2に7コーナー、3に10コーナー。2018年メルセデスが『コーナリング命』のレッドブルをも引き離した。
直角コーナーなどでメルセデスW09の挙動はフロントが“フラット”に保たれ、ロール角度もピッチング上下動も制御され、理想値に近いダイナミック・ダウンフォースが得られている(はずだ)。
だからふたりともこのセクションが安定し、リヤタイヤの過熱症状(急なオーバーステア)も見られない。初日からハンドリング矯正を進め、ブレーキングがナーバスな部分も対策、ほぼ万全な仕上がりで予選へ。
しかし、メルセデスがこの週末たった一度だけ躓きかけた。予選Q1にウルトラソフトで臨み、ボッタス12番手、ハミルトンはあわやの14番手。15番手ガスリーと16番手マグヌッセンと0.2秒差、きわどかった。
これを見たはずのフェラーリだがQ2にふたりをウルトラソフトで行かせた。だが十分なタイムを出しきれずハイパーソフトに変更。このチーム行動などを外から見る限り“指揮・判断”系統に緻密さや周到さ、冷静さがやや欠けているように映るが……。
ハミルトンのQ3アタック、セクター1は2位、2も2位、3が最速。直角ターンを次々に“3速ギヤ”で切り抜けていった。セクター3で2位フェルスタッペンを0.125秒、3位ベッテルを0.260秒も引き離す1分36秒015。
このPPタイムは2014年彼自身の1分45秒681より『9.666秒』も速い。景色がまったく違って見えたことだろう。
――モナコと同じ予選トップ6がそのまま決勝トップ6ゴール。何かが起こるシンガポールGPも今年はほとんど起こらず、たった1台エステバン・オコン(フォース・インディア)が数百メートルでリタイア。完走19台。レースタイム1時間51分11秒611、ハミルトンとメルセデスの最短記録である。
(Jun Imamiya)
関連ニュース
12/6(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
12/7(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
12/8(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 437 |
2位 | ランド・ノリス | 374 |
3位 | シャルル・ルクレール | 356 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 292 |
5位 | カルロス・サインツ | 290 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 245 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 223 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 70 |
10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 666 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 652 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 589 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 468 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 94 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 65 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 4 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |