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【インタビュー】ガスリーの快走を支える湊谷エンジニアが『ホンダPUのドライバビリティ』を解説
2018年8月14日
2018年シーズンからトロロッソ・ホンダパフォーマンスエンジニアに就任し、ピエール・ガスリーのマシンを担当している湊谷圭祐エンジニア。ハンガリーGPでガスリー快走の鍵となったドライバビリティについて聞いた。
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──ドライバーやエンジニアと話していて、『ドライバビリティ』という言葉がよく出てきます。わかっているようで、実はよく理解できていない。ドライバビリティとは何なのか。わかりやすく説明していただけますか。
湊谷圭祐パフォーマンスエンジニア(以下:湊谷):ドライバーがアクセルペダルを踏みますよね。踏んだペダルの量に応じて、トルクが出る。そのトルクの出方を表したマップをTPM(トルク・ペダル・マップ)というんですが、踏んだ分だけしっかりトルクが出る、1対1で出ている状態だと、ドライバーは「ドライバビリティがいい」と感じてくれます。ドライバーが思った分だけのトルクが出るわけですから。
それが「ドライバビリティがよくない」と感じるのは、たとえば踏んだすぐにはトルクが出なくて、あとからモリモリと出てくる状態ですね。そうするとコーナー立ち上がりとかでホイールスピンしてしまう。
──コースを1周する中で、ドライバーは具体的にどの段階でドライバビリティの良さを要求するんでしょう。
湊谷:低速コーナーの立ち上がりで、特に要求しますね。エンジンも低い回転を使っているので、どうしてもトルクが薄くなりがちです。しかも低速立ち上がりの方が、空力の効果も薄いのでトラクションがかかりにくい。なので低速の立ち上がりで、アクセルペダルを踏んだ時にすぐにトルクが出ることを、ドライバーは望みますね。
──ドライバビリティがあまりにひどいと、具体的にどうなってしまう?
湊谷:極端な場合、ドライバーは恐くてアクセルを踏めないですね。アクセルを踏めないと、立ち上がりが遅くなる。立ち上がりが遅いと、ストレートスピードが遅くなる。
──ガスリーはハンガリーで、「ウエット路面でのドライバビリティがすごくいい」と評価していました。
湊谷:というのはウエット路面の場合はどうしても、スロットルをパーシャル(半開)で操作する状態が長くなります。ドライ路面だったらアクセルの踏み始めから全開までコンマ5秒しかかからないのが、ウエット路面だと2秒あるいは3秒かかったりする。しかもグリップも低い。なのでトルクの追従性が優れているほど、雨の中で手探り状態で走っていればいっそう、ドライバーは安心できますね。
──ホイールスピンも、しやすいですしね。そういう場合、アクセルを踏んだ際に、トルクが出過ぎないように調整もする?
湊谷:ええ。ここで踏んだ以上にトルクが出てしまうと、スナップオーバーステアになる。そうしたらドライバーは、恐くて踏めない。それで踏み方がどんどん、緩くなって行く。
ドライバビリティが重要なのは、ドライ路面でも同じです。特に予選がそうなんですが、1周ごとに路面コンディションがどんどん良くなって行きますよね。その状況で、どこまで踏めるか。その再現性がないと、ドライバーは安心して踏めないですね。
──それは1周ごとに、きめ細かく調整できるということですか?
湊谷:ドライバビリティに関しては、どの領域でも(ドライバーのアクセル操作に)追従しているのが理想的です。
■2018年はドライバビリティが大きく向上。ドライバーたちの反応は
──(回生エネルギーの)エネルギーマネージメントにも関わってくる?
湊谷:そうですね。ハンガリーの予選は雨が降っていたので、思い切り踏めませんよね。回生エネルギーは1周4メガジュール使える規定になっていて、それを1周する間に全部使い切るのが理想なんですが、アクセルを踏まないと使われない。余ってしまう。
雨の場合、路面コンディションが刻々と変化するので、連続周回が効果的ですよね。その場合、今のエネルギーで1周走れるのか、2周大丈夫なのか。路面状況に応じて、エネルギーの使い方をチームと相談しながらやってます。それがエネルギーマネージメントで、ドライバビリティとは別の話です。
──ドイツGPまでは、車体のトラクションが悪いことに悩んでましたよね。それに対してパワーユニット側のドライバビリティで、寄与できる部分はなかったんでしょうか。
湊谷:パワーユニット側のドライバビリティは、車体のトラクション不足は解消できません。トラクションがあった上で、そこで初めてドライバビリティが発揮できますから。車体側のトラクションがあれば、もっと早く踏める。しかしそれが悪いと、待つしかない。
──ドライバビリティの改善には、ドライバーのフィードバックは重要ですか?
湊谷:ドライバビリティに関しては、実は去年から今年にかけてかなり改善したんですね。なので開幕後は、もはやほとんど何も変えていません。それでもドライバーからは、ドライバビリティについては何も言って来ないです。
──そうなんですか。レース週末に、何もいじらない?
湊谷:ええ。でも2017年は、ほとんど毎回変えてました。エンジンマッピングの精度を、(栃木県の本田技研研究所)HRD SAKURAで上げていった。去年まではまだ完全ではなかったんですが。それが2018年シーズンのドライバビリティ向上にかなり寄与してますね。
エネルギーマネージメントに関しては、ドライバーと毎回細かく話し合う。でもドライバビリティについては、もはやほとんど何も話しません。満足してもらってます。
(取材・文 柴田久仁夫 Kunio Shibata)
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