F速

  • 会員登録
  • ログイン

F1スペインGP技術解説(1):アグレッシブに攻めすぎたフェラーリのハロミラー

2018年5月18日

 F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズがスペインGPの週末に見つけた注目のアイテムを紹介、分析する。 


●フェラーリ
(1)話題を呼んだハロミラー

 スペインGPのアップデートで最も物議を醸したのが、フェラーリの『ハロミラー』だった。昨年リヤウィングがより幅広く、搭載位置も下がったことで、「ミラーでの後方確認がむずかしくなった」との不満が、ドライバーたちから漏れていた。それを受けてFIA(国際自動車連盟)は中国GP後に、ハロへのミラー搭載を許可していた。

スペインGPで物議を呼んだハロミラー



スペインGPで話題となったハロミラー

 各チームの開発エンジニアが、この許可を空力性能向上のチャンスと捕えたとしても不思議ではない。しかしフェラーリの場合は、いささか拡大解釈し過ぎたといえるだろう。というのもフェラーリのハロミラーは、ミニウィングがハロではなくミラーに取り付けられているからである。このウィングは気流を下方に導く、いわゆるダウンウォッシュという効果を狙ったもので、リヤウィングのダウンフォース向上が期待できる。


 しかしミニウィングなどの空力パーツは、『車体への確実な固定』と規定されており、ミラーへの取り付けは完全な規約違反ではないものの、最終的にスペインGPのみの使用許可となりそうだ。


(2)マクラーレン風のフロアの切り込み
 フェラーリのスペインGP仕様フロアには、リヤタイヤ前の切り込みに加え、2本の長い溝が入っていた。これは明らかに、マクラーレンがバーレーンから投入したデザインを踏襲したものだ。サイドポンツーンの両脇は、主にリヤタイヤが発生する乱流が渦巻いている。この乱流がフロア下に入り込み、ディフューザーへと向かう気流を乱すことを防ぐのが、この切れ込みの役割と思われる。

マクラーレン風のフロアの切り込み


マクラーレン風のフロアの切り込み


(3)ディフューザーの最適化
 F1マシンのダウンフォースは、そのほぼ半分がディフューザーから得られていると言われる。サイドポッド直下、フロアの前端(赤矢印)から入った空気は、ベンチュリ効果で流速を増し、その結果フロア下の気圧が急激に低下して、マシンを押し付ける効果を生む。さらにディフューザー出口が広がっていることで流速は緩み、そのためフロア下の気圧はいっそう低下するのである。


 ディフューザーの役割は、いかに段階的に、コントロール可能な状態で流速を緩めるかにある。各チームの開発部門は、まさにそこに苦労しているわけである。


 フェラーリの新ディフューザーは、インパクトストラクチャー下の中央部分(黄色矢印)が、より丸みを帯びている。そして両端の羽根部分(青矢印)にもカーブを持たせた。さらのデフレクターの切れ込み(橙色矢印)の切れ込みが深くなり、ボーテクスジェネレーター(白矢印)の数が5から7に増えている。

(4)リヤサスアンカーの形状変更
 フェラーリは今回、リヤサスペンションのホイール側の取り付け形状も大きく変更している。大型化し、ほぼ直角に曲げた形状は、構造的なものより空力的な理由からだろう。この仕様は、セバスチャン・ベッテルだけが使用した。



レース

5/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/31(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/1(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ186
2位ランド・ノリス176
3位マックス・フェルスタッペン137
4位ジョージ・ラッセル111
5位シャルル・ルクレール94
6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー16
9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
10位BWTアルピーヌF1チーム11

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第9戦スペインGP 6/1
第10戦カナダGP 6/15
第11戦オーストリアGP 6/29
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号