F速

  • 会員登録
  • ログイン

F1 Topic:予選6番手を獲得したトロロッソ・ホンダ。車体のアップデートに隠されたレーキ角と路面の相性

2018年4月8日

 トロロッソ・ホンダがバーレーンGPの予選で2戦目にして今シーズン初のQ3に進出し、ピエール・ガスリーが6番手を獲得した。この結果にバーレーンGPのパドックは皆、一様に驚いていた。


 なぜ前戦オーストラリアGPの予選で16番手(ブレンドン・ハートレー)、20番手(ガスリー)だったトロロッソ・ホンダが、バーレーンGPでは6番手と11番手に浮上したのか。


 予選後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはこの結果を得られた要因を次のように語っていた。


「F1マシンというのは結局はパッケージ。クルマの空力とメカニカル、そしてドライバーとPU(パワーユニット)が今日はうまく噛み合いました」


 たしかに、オーストラリアGPの予選ではドライバーがミスをしたことが大きく影響してしまったが、今回は2人ともほぼノーミスだった。


 では空力とメカニカルはどうだったのか。今回、トロロッソはバーレーンGPに新しい空力パーツを持ち込んでいた。それを金曜日にガスリー車だけに搭載し、古いパーツを搭載したハートレー車と比較テストをした。その結果、新しいパーツに大きなアドバンテージがあることがわかった。そこで土曜日は2台そろって、新しい空力パッケージで予選に臨んだ。


 チームマネージャーのグラハム・ワトソンによれば、「新しいパーツとはサイドポンツーン前のバージボード周辺とブレーキダクト周辺の細かなパーツで、完全な新しいパーツというのではなく、旧型をモデファイした改良版」だという。


「この新しいパーツは単純にダウンフォースを増やすことが目的ではなく、同程度のダウンフォースを獲得できるが、空気抵抗を減らした、効率の良さを改善した仕様になっている」(ワトソン)


 予選最高速でガスリーはポールポジションを獲得したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の322.8km/hに次ぐ、322.5km/hを記録していたが、これはホンダのPUの性能というよりも、トロロッソの新しい空力が大きく貢献したわけだ。


 では、なぜメルボルンで低迷していたトロロッソ・ホンダがバーレーンでここまで浮上できたのか。ワトソンは「マシンの特性とコースが関係してる」という。


「じつはわれわれは昨年から今年にかけて、マシンのコンセプトを変えたんだ。昨年はメルセデスと似たノーズにしてレーキ角(マシンの前傾姿勢)もそんなにつけないコンセプトを採用したが、それでは開発に限界があることがわかった。そこで今年はレーキ角を昨年よりも大きく取り、ノーズも一昨年型に戻した」


 ワトソンはそれ以上、多くは語らなかったが、ドライバーたちはメルボルンで失速した理由を「路面がバンピーだったから」と口を揃え、「バーレーンはスムーズな路面なので僕たちのマシンに合っていた」と語っていた。レーキを大きくつけると、フロアの前端がバンピーな路面に底打ちし、ダウンフォースが抜けてしまうことでブレーキングで乗りにくいマシンとなる。メルボルンに比べるとバーレーンは路面がスムーズで、レーキ角をつけてもそのような悪癖が顔を出すことがなかった。


 もちろん、このバーレーンで乗せ換えることになったホンダのPUも改善しているが、そのPUは車体に搭載されないと走ることができない。さらにその車体は4本のタイヤがついて初めて走る。PUの性能ももちろん大事だが、その性能を生かすも殺すも車体次第だということを、トロロッソはきちんと理解している。


 田辺TDは言う。


「パワーがなくて戦えないという声は、いまのところドライバーからもチームからも聞いていません。今回の結果は、チームが持ち込んだ空力アップデートと、ドライバーがうまくラップをまとめてくれたおかげだと思っています」


 昨年は感じられなかった一体感こそが、バーレーンGPの予選でトロロッソ・ホンダが6番手に躍進した最大の要因だったのかもしれない。



(Masahiro Owari)


レース

5/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/31(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/1(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ186
2位ランド・ノリス176
3位マックス・フェルスタッペン137
4位ジョージ・ラッセル111
5位シャルル・ルクレール94
6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー16
9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
10位BWTアルピーヌF1チーム11

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第9戦スペインGP 6/1
第10戦カナダGP 6/15
第11戦オーストリアGP 6/29
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号