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【F1ブラジルGP無線レビュー】ハミルトンの追い上げにチームも称賛「トップからたったの5.4秒差だ」

2017年11月15日

 ブラジルGPの予選が始まってすぐに、ルイス・ハミルトンのマシンはターン6で挙動を見だしてスピンし、タイヤバリアに吸い込まれてしまった。いつもなら6速で抜けるところを5速にシフトダウン。そのシフトショックでボトミングし、ダウンフォースが抜けてしまった。 


 前戦で王座を決めたばかりのハミルトンにとって、余裕で通過できるはずのQ1でほんの僅かな気の緩みが最悪の結果繋がってしまった。その衝撃は小さくなかったようだ。


メルセデス(以下、MGP)「ルイス、大丈夫か?」


ハミルトン(以下、HAM)「……」


MGP「動いているのは見えているよ」

2017年F1第19戦ブラジルGP 予選Q1でクラッシュを喫したルイス・ハミルトン

HAM「あぁ、大丈夫だ。みんな、ゴメン……」


 最後尾が決まったことで、残り2戦で最大限の利益を確保するためパワーユニットとギヤボックスを新品に交換しピットレーンからのスタートを選んだ。


HAM「みんな、クルマを準備してくれてありがとう」


 無線でチームスタッフにそう伝えてスタートしたハミルトンは次々と前走車を追い抜き、14周目にはセルジオ・ペレスを抜いて7位まで挽回してきた。新品パワーユニットの性能をフルに使い、DRSとスリップストリームを組み合わせれば、オーバーテイクは容易でどれも特段印象にも残っていないとハミルトンは言いきってみせた。


 最後尾スタートのレースであっても、ハミルトンが考えていたのはダメージリミテーションではなく、優勝争いだった。


HAM「VET(セバスチャン・ベッテル)が離れていっているように見えるんだけど?」


MGP「VETとのギャップは15秒。彼はタイヤマネージメントをしなければならないようだ」


 25周目、スーパーソフトの予想交換タイミングが過ぎても上位勢が良好なペースを維持しているのを見て、ハミルトンは自身のリバースストラテジーが上手く機能するかどうかを懸念していた。上位勢の第2スティントが短くなればなるほど、自分がスーパーソフトを履いた際のフレッシュさのアドバンテージは小さくなるからだ。


HAM「スーパーソフトタイヤはすごく良さそうじゃないか?」


 メルセデスAMGはバルテリ・ボッタスを27周目にピットインさせ、これによってフェラーリ勢もアンダーカット対策でピットイン。これでハミルトンは暫定首位に立ったが、ソフトタイヤのフィーリングも決して完調ではなかった。


HAM「ペースは悪くないけど、リヤのフィーリングは最高とは言えないよ」


 だが逆にフェラーリはハミルトンのペースを見て警戒を強めていた。


フェラーリ(以下、FER)「HAMのソフトのペースが良い。レース終盤に我々にとって脅威になりそうだ」


 ハミルトンは43周目にピットインし、5位でコースに戻る。3位のキミ・ライコネンまでは12秒のギャップしかない。


MGP「今P5。我々は表彰台をチェイスしているぞ」


 スーパーソフトに履き替えたハミルトンはファステストラップ連発の走りで前のマックス・フェルスタッペンを追いかけるが、マシンフィーリングの変化も感じ取っていた。


HAM「一応伝えておくけど、クルマのフィーリングが少し違う」


MGP「了解」


 しかし大きな問題には至らず、59周目にはターン1でマックス・フェルスタッペンを易々とパス。レッドブル陣営も為す術がないことははじめから分かっていた。


レッドブル(以下、RBR)「OK、どうすることもできない。クルマをフィニッシュまで持ち帰るだけだ」


MGP「(VER抜いて)これでP4だ。RAI(ライコネン)は4秒前方だ」


 ハミルトンはここからさらにファステストラップを連発。66周目にはついにライコネンの1秒以内に追い付いた。しかしフェラーリは他車ほど簡単にはオーバーテイクできなかった。


MGP「HPP7、ポジション2。もう少しパワーの出るセッティングだ」


 残り3周の時点でメルセデスAMGは細かなパワーユニットセッティングの変更を許可したが、ライコネン攻略はならず表彰台に上がることはできなかった。


MGP「ナイスワーク、ルイス。ごく接戦だったけど、P4だ。トップからたったの5.4秒差だった。満足できる結果だったと思うよ」

2017年F1第19戦ブラジルGP チームと喜びを分かち合うルイス・ハミルトン

 表彰台には届かなかったが、トップまではあと僅か。メキシコGPで最後まで諦めず走り抜いた末にタイトルを掴んだのと同じように、今回も苦境に負けず最後尾から優勝まで5秒のところまで追い上げた。そのことがハミルトンに大きな自身と満足を与えたブラジルGPだった。



(Mineoki Yoneya)


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