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【レースの焦点】ハミルトンが見せたポールポジションへの強いこだわり/F1第13戦イタリアGP

2017年9月5日

 モンツァでは珍しい雨の予選が何人ものヒーローを生み、太陽に恵まれた日曜日のレースのベースを作った。

 もし、ルイス・ハミルトンがメルセデスのマシン性能だけで圧倒的な勝利を飾っていたなら“パワーユニット性能のおかげ”“クルージングして勝てるなんて”という感想も生まれたかもしれない。しかし、予選Q3最後に彼が披露した「完璧ではなかったけれど、プレッシャーのなかですごく楽しめた」ラップは、マシン特性とハミルトン生来の才能が絶妙に調和したもので、ミハエル・シューマッハーの記録を破るに相応しい、69回目のポールポジションだった。

 レッドブル2台のおかげで「僕はハードワークが必要になった」と、ハミルトンは言った。「彼らには、本当に心から感謝している」と。

 マックス・フェルスタッペンもダニエル・リカルドも、パワーユニット交換によってグリッド降格されることが分かっていた。

XPB Images

 それでも、フルウエットタイヤを履いたQ3でレッドブルが雨に強い特性を発揮すると、ハミルトンはピットに戻り、新しいタイヤを装着し、1周だけのアタックに出陣した。ポールポジションへの強いこだわりがそこに表れた。

 セッション終盤、ウォームアップに費やせるのはアウトラップだけ──ハミルトンはタイヤを作動領域に入れ“ウエットでグリップを得られる路面”を探求し、最後のラップでフェルスタッペンを上まわった。

 極端な低ダウンフォース仕様で走るモンツァ、例年にない低温、ホームストレートの新舗装。そこで“最速”を探求することが楽しかったと言う。

 見た目にも分かりやすいのはパラボリカ。入り口で減速した後、一貫してコーナーのアウト側をなぞるラインはレコードラインと異なるが、舗装の細かい石が跳ね飛ばされていない路面は排水性が良くグリップが高く、Rを大きく取って緩やかに加速するラインではマシンの挙動変化も小さくて修正も最小限で済むのだ。



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