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2017年F1の追い抜き減少は「速いマシンを得た代償」とFIA。改善策としてDRS区間見直しを検討

2017年3月30日

 FIA会長のジャン・トッドは、2017年シーズンのF1におけるオーバーテイクの減少は、より速く見栄えの良いマシンを得たことへの、価値ある代償だと考えている。


 開幕戦オーストラリアGPではコース上でのオーバーテイクは2回にとどまったが、2016年のメルボルンでは26回だった。空力への依存度が増したマシンと、デグラデーションの少ないタイヤの組み合わせによって、今季のオーバーテイクが減少するかもしれないという、オフシーズン中の懸念が証明される結果となった。


 オーストラリアGPに先がけて一部メディアとのインタビューを行ったトッドは、2017年はオーバーテイクが減少するだろうことを認めたが、マシンの見事なパフォーマンスによって相殺されると主張している。


「オーバーテイクはモータースポーツにおいて、常に問題となってきた。20〜30年前のレースでも、新品タイヤを履いて3〜4秒速くなったマシンが、古いタイヤを履いたマシンを追い越せなかったのを覚えている。オーバーテイクが難しかったからだ」


「今季はオーバーテイクがさらに難しくなることが明らかになった。だが我々はそれが簡単になるよう、DRSや他のテクノロジーを使う方法を探っている。新レギュレーションはオーバーテイクを余計に難しくするかもしれないが、それは車幅の広い、空力に優れたマシンを手に入れたことに対して払うべき代償かもしれない」


 FIAは中国GPの後、オーバーテイクの難易度についてより詳しい所見が得られた段階で、DRSゾーンの距離を再検討する予定である。またトッドは、後続車両がより接近して走行できるようにするため、F1は長期的に空力コンセプトを再考する必要があるとの考えを示した。


「先々のレギュレーションや、提案が良い妥協策となっているかを話しあうときに、そのことについて取り組む必要がある」とトッドは述べている。


 メルボルンでのレース後、3度のチャンピオン獲得経験を持つルイス・ハミルトンは、現在のオーバーテイクの状況は過去10年のF1キャリアのなかで最も酷いと語った。


「自分がF1でキャリアを始めて以来、マシンは根本的にいまの方向性へと進化してきたが、このシチュエーションはおそらく最悪だろうね。事態が改善することは、間違いなくない。シーズンの残りの期間は同じような状況が続くと思う」



(AUTOSPORTweb)

この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています


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