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今宮純のF1メキシコGP金曜インプレッション:低グリップの路面で初日首位の跳ね馬に注目

2016年10月29日

 寒さとホコリとノーグリップ、予想外のサプライズ・コンディションにフェラーリがきた。セバスチャン・ベッテルがフリー走行トップになったのはオーストリアGP・FP3以来のこと、前半戦はほかにも5度もあった。キミ・ライコネンだって2度トップになっているのだ。


 こういう言い方はフェラーリには失礼だが、久しぶりのニュース。ポジティブにとらえるならセッション最速を記録したGPでは、たいていメルセデス勢に次ぐ予選3位にくいこんでいる(スペインGPでは温度急に失速し6位に下落したが)。


 滑りまくる路面条件下、ベッテルは跳ね馬を抑え込むように(鞭を入れすぎず)ていねいに操っていた。昨年決勝では接触、パンク、スピン、さらにクラッシュと“新人みたい”なお粗末レースをやってしまった彼。フェラーリ勢は2台全滅、これは06年オーストラリアGPまでさかのぼる失態。10年ぶり、183戦ぶり、忘れることのできないワースト結果だ。


 今のフェラーリにとってはこのメキシコGP、なにがなんでもいいところを見せねばならない(と個人的に予想していた)。やや深読みになるかもしれないが、セクター速度やタイム推移から想像すると、FP2ベストタイム記録時のガソリン重量はどうだったのか。いつもより“ちょい軽”ではなかったか。セクター2速度、コントロールライン速度ともに最速、スタジアムエリアのセクター3のベストタイムなどから想像してしまう。


 ベッテルとライコネンのマシン挙動が最近傾向と違うのも気になった。2台のガソリン重量を分け(ライコネンはいつもどおりで)、あえてハンドリング差異を探り土曜以降に備えたと想像したくなる。異なるタイヤでのロングラン・プログラムにせよ、あれほどふたりの挙動や摩耗状況に違いがあるのには驚く。


 昨年、23年ぶりに復活したメキシコの新改修コースは路面舗装グリップの無さが言われた。1年経てばそれもいい具合に落ち着き、つい先月に「WEC6時間耐久レース」があったばかりだ。ビッグパワーの耐久マシンが走ることで、パーマネント・サーキットとして昨年よりいい状態になっているだろうと思えたのだが……。


 ただ、今年はサポートレースが“ヒストリックF1レース”と地元F4レースしかない。ほかのGPと違い、GP2やGP3、ポルシェ・カップによって“コース・クリーン”状況とはなりにくい。だからFP1はホコリだらけ、スノー・ドライビングのように滑るF1になったのだろう。


 衆目のタイトル争いについて。金曜を見る限り「四分と六分」、追うルイス・ハミルトンやや優勢か。その根拠はブレーキングの誤差、乱れる度合いと対応リアクションがニコ・ロズベルグはもうひとつ。どちらもまだハンドリング調整段階だが、よくないなかでもハミルトンのほうがおさめられている。ここからロズベルグが天候、温度条件などを見越して、路面変動を推測してセッティング・パラメーターを整えていけるか。FP3走行後もさらに細かく微調整、ファインチューニング競争がいつも以上に綿密に続けられるだろう。


 金曜フェラーリ1位で始まり、レッドブル勢もロングランではダニエル・リカルドもマックス・フェルスタッペンもいい刻みペース。フォース・インディア対ウイリアムズも拮抗し、トップ8が“0.839秒”のなかにカバーされた。今年あと3戦、濃い密度になっている。


 寒くても朝から続々詰めかけてくるメキシカン・ファンたち。ビールをあおり、タコスを食べながらはしゃいで踊る“観戦スタイル”はラテンのノリだ。昨年ここの華やかなスタジアム表彰台でスターになったロズベルグは、21戦12勝の圧倒勝的な勝率できている。真実のゴールのときが近づいている。



(Text:Jun Imamiya)


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2位スクーデリア・フェラーリHP356
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5位ウイリアムズ・レーシング111
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