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F1の新オーナー、目の前の金欲しさではなく「F1を次のレベルに押し上げる」ことをアピール

2016年9月22日

 来年から新しくF1の新会長になるリバティメディアのチェイス・キャリーは、すぐに利益を生み、いくつかの負担を軽減することよりも、将来を見通してF1に投資をすると語った。


 リバティメディアは今月初めにF1の運営権獲得に合意し、CVCキャピタルパートナーズに変わって来年初頭からF1の筆頭株主となるが、周囲からはF1の現CEOであるバーニー・エクレストンのように、リバティメディアは利益を得るための投資だと批判を受けている。


 CEOの職を継続するバーニーと動くことになるキャリーは、買収のアナウンス後に行われたシンガポールGPに訪れ、リバティメディアはお金のために動いている訳ではないことをアピールした。


「もちろん利益を作ることは重要だ。現実的に私が常に心がけているのは、ビジネスの第一目標は長期的に高い価値を築くことだ。ゴールは1年間で達成するものではなく、3年から5年の歳月を割いて作られるものだと考えている」


「リバティのこれまでの実績を振り返れば、長期的な株主になってきた歴史がある。株主として彼らを支持し、メディアやエンターテイメントの部門で、自分たちのビジネスの仕方を自負している。我々は1年間で利益を得るために”お金を持ってきた”訳ではない。どうやってF1に長期的な価値を見出すかにフォーカスしていきたい」

シンガポールGPの現場を訪れたリバティメディアのチェイス・キャリーと談笑するマクラーレンCEOのロン・デニス
シンガポールGPの現場を訪れたリバティメディアのチェイス・キャリーと談笑するマクラーレンCEOのロン・デニス

「そのためには投資に見合った基盤を固めるのにある程度の時間が必要となる。これが我々のプランであり、このプランがF1を次のレベルまで押し上げてくれる糧となってくれると信じている」


 キャリーは変化を見出すには”最初の数カ月、100日間”の大部分を「聞く事」に時間をかけるつもりだという。


「現実的にみて、最初の数週間で私がすることと言えば、みんなが話す言葉に耳を傾け、それに適応すること。スポーツはさまざまな要素が混じり合って構成されている。まずはどのような組織なのか、何を目的としているか、問題は何なのか、理解を深める事が重要になると考えている」


「すべての人を幸せにすることなんて不可能だ。それでも、みんなが何を望み、どう歩んでいけばいいのかは理解できるはずだ。たしかにこのタスクは官僚的になる傾向にあり、委員会が担うものではない。以前のF1の体制がそうであったとしても、独裁的に組織をまとめる訳にもいかないことは理解している」


 リバティはアメリカとアジアで、ネット放送のような新しいマーケットの開拓を進めている。それと同時にキャリーは現状、ヨーロッパを主軸としたマーケットとプラットフォームを変えることはないと改めて表明をした。


「過去に築いてきた基盤は大事なことは間違いなく、それを成長維持させていく。プロモーションに関しても大きな規模で行う必要があるし、ネットストリーミングはおそらく今日までに培ったテレビ放送の経験が核となり、広がりを見せていくはずだ」


「ネット放送を始めとするデジタル商品は、テレビ放送をより価値のあるものになるだろう」


「F1をマーケティングするならば、スターやヒーロー、素晴らしいマシン、地理的な強みを述べる必要がある。今はどのコンテンツを見ても”稼ぎ頭”など存在していない。でも、どれを見てもまだまだ伸びしろがある」



(AUTOSPORTweb)

この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています


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