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小松礼雄コラム:ダブルピットの怖さ。10代ドライバーが活躍できる理由
2016年7月22日
新生ハースF1チームに移籍し、チーフエンジニアとしてチームのレース部門を統括する小松礼雄氏。前戦の入賞から一転、トラブルと不運に振り回されたハースと小松エンジニア。レースではセーフティカーとピット作業がポイントとなってしまいました。イギリスGP後のテストでの若手の印象など、F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラム第10回をお届けします。
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ダブルピットストップの怖さと難しさ
今、10代の若手ドライバーが活躍できる理由
今回のイギリスGPですが、ハースはアメリカ国籍のチームですけれどシルバーストンはファクトリーからも近いし、スタッフの家族も観に来たりと、やっぱり母国GPという感覚があります。僕は去年まではシルバーストンへは自宅から毎日、自転車で通っていました(今年は夜遅くなることが多いのでクルマにしました)。自転車で30分くらいの距離の隣り村ですし、日本を離れてイギリスにもう20年以上暮らしていることもり、僕にとってもイギリスGPは特別です。
そのイギリスGPですが、フリー走行で初めてシャルル・ルクレールが走りました。彼は明け方までの雨の影響で、まだ路面が完全にドライになっていない状態での走行開始になって結構大変だったと思いますけど、普通にドライブしていました。まだ18歳、確かにすごいですよね。マックス・フェルスタッペンを見てもそうですが、若くてもいいドライバーはいい。ルクレールも、なかなかのドライバーだと思います。もちろん、もうちょっと走ってみないと正確なところは分かりませんが。
最近では17、18歳の若手が普通にF1で走れていますが、その要因のひとつはフィジカル的な変化が大きいと思います。少し前までのF1マシンはパワーステアがなかったり、エンジンの馬力が1000馬力あって、トラクションコントロールがなかった時代とか、かなり乗り難いクルマだったと思います。今でもトラクションコントロールはないですけどドライバビリティはかなり良くなって、マシンのコントロール性能はすごく向上しています。ギヤシフトも前はスティックシフト。モナコを走る場合、シフトを何回しなきゃいけないんだというくらいで手の皮が剥けたり、フィジカルな強さが必要でした。もちろん、今はパドルシフトでそんなつらさは全然ありません。
今のF1はパワステがついていますが、だいたい、他のカテゴリーからステップアップしてきた人たちは最初はみんな「ステアリングが軽すぎる」とびっくりします。パワステのアシスタンスがかなり大きいから、「フィードバックがない」とも言います。でも、そういった文句を言うのは最初の50kmくらいの間で、それ以上走ったら、「あって良かった」とみんな言います(笑)。今のF1はダウンフォースが大きくてコーナリングGも高いので、周回数を重ねるとそれなりにフィジカルが厳しくなる。それでもやっぱり、昔の方がクルマが洗練されていなくて、エンジンのトルクもターボのドライバビリティも今より不安定だっただろうし、シフトやブレーキのフィジカル的な難しさを含めて全然、今の方が楽だと思います。
その逆に、今の方が厳しい面もあります。それはメンタル的な部分です。ステアリングのボタン操作などは、今の方が比べられないほど複雑です。そこはむしろ、今の若い子たちのほうが全然対応しやすいんじゃないかな。イギリスGP後のテストで2日間、アメリカ人のサンティーノ・フェルッチというドライバーが乗ったのですが、ロータスにいたときのキミ(ライコネン)と比べても操作系の飲み込みが断然早かった(苦笑)。ですので、体力的に楽になったことや、若手ドライバー育成システム(レッドブルなど)が早い段階から整っていることが、今の若いドライバーが活躍できる大きな要因じゃないかと思います。
話はレースに戻りますが、イギリスGP、結果は全く良くなかったです。走り始めの段階では、ほぼいつもどおりの位置にいました。パーセンテージでいうとトップから2パーセントちょい落ちのあたりの10〜14番手。オーストリアGPはもう少し悪かったけど、オーストリアはメルセデスエンジンがホントに速かったですからね。
ですので、練習走行や予選はほぼ想定どおりだったのですが、問題はレースでした。ウエットタイヤでスタートして、セーフティカー(SC)が入ってピットインした時に、大きくタイムロスしてしまったんです。ロマン(グロージャン)は(セバスチャン)ベッテルの後ろでピットロードに入ったのですが、ベッテルはフェラーリの2台目、ダブルストップでキミとの間を空けようとして、スピードリミットより遅いスピードでピットレーンを走っていました。厳密に言うとレギュレーション違反になる行為ですが、お陰でその後ろにいたロマンが結構タイムロスして、結果的に1周後に入った(ジェンソン)バトンと(ダニール)クビアトにギリギリ抜かれて、2つポジション落として15位になってしまいました。
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ダブルピットストップの怖さと難しさ
今、10代の若手ドライバーが活躍できる理由
今回のイギリスGPですが、ハースはアメリカ国籍のチームですけれどシルバーストンはファクトリーからも近いし、スタッフの家族も観に来たりと、やっぱり母国GPという感覚があります。僕は去年まではシルバーストンへは自宅から毎日、自転車で通っていました(今年は夜遅くなることが多いのでクルマにしました)。自転車で30分くらいの距離の隣り村ですし、日本を離れてイギリスにもう20年以上暮らしていることもり、僕にとってもイギリスGPは特別です。
そのイギリスGPですが、フリー走行で初めてシャルル・ルクレールが走りました。彼は明け方までの雨の影響で、まだ路面が完全にドライになっていない状態での走行開始になって結構大変だったと思いますけど、普通にドライブしていました。まだ18歳、確かにすごいですよね。マックス・フェルスタッペンを見てもそうですが、若くてもいいドライバーはいい。ルクレールも、なかなかのドライバーだと思います。もちろん、もうちょっと走ってみないと正確なところは分かりませんが。
最近では17、18歳の若手が普通にF1で走れていますが、その要因のひとつはフィジカル的な変化が大きいと思います。少し前までのF1マシンはパワーステアがなかったり、エンジンの馬力が1000馬力あって、トラクションコントロールがなかった時代とか、かなり乗り難いクルマだったと思います。今でもトラクションコントロールはないですけどドライバビリティはかなり良くなって、マシンのコントロール性能はすごく向上しています。ギヤシフトも前はスティックシフト。モナコを走る場合、シフトを何回しなきゃいけないんだというくらいで手の皮が剥けたり、フィジカルな強さが必要でした。もちろん、今はパドルシフトでそんなつらさは全然ありません。
今のF1はパワステがついていますが、だいたい、他のカテゴリーからステップアップしてきた人たちは最初はみんな「ステアリングが軽すぎる」とびっくりします。パワステのアシスタンスがかなり大きいから、「フィードバックがない」とも言います。でも、そういった文句を言うのは最初の50kmくらいの間で、それ以上走ったら、「あって良かった」とみんな言います(笑)。今のF1はダウンフォースが大きくてコーナリングGも高いので、周回数を重ねるとそれなりにフィジカルが厳しくなる。それでもやっぱり、昔の方がクルマが洗練されていなくて、エンジンのトルクもターボのドライバビリティも今より不安定だっただろうし、シフトやブレーキのフィジカル的な難しさを含めて全然、今の方が楽だと思います。
その逆に、今の方が厳しい面もあります。それはメンタル的な部分です。ステアリングのボタン操作などは、今の方が比べられないほど複雑です。そこはむしろ、今の若い子たちのほうが全然対応しやすいんじゃないかな。イギリスGP後のテストで2日間、アメリカ人のサンティーノ・フェルッチというドライバーが乗ったのですが、ロータスにいたときのキミ(ライコネン)と比べても操作系の飲み込みが断然早かった(苦笑)。ですので、体力的に楽になったことや、若手ドライバー育成システム(レッドブルなど)が早い段階から整っていることが、今の若いドライバーが活躍できる大きな要因じゃないかと思います。
話はレースに戻りますが、イギリスGP、結果は全く良くなかったです。走り始めの段階では、ほぼいつもどおりの位置にいました。パーセンテージでいうとトップから2パーセントちょい落ちのあたりの10〜14番手。オーストリアGPはもう少し悪かったけど、オーストリアはメルセデスエンジンがホントに速かったですからね。
ですので、練習走行や予選はほぼ想定どおりだったのですが、問題はレースでした。ウエットタイヤでスタートして、セーフティカー(SC)が入ってピットインした時に、大きくタイムロスしてしまったんです。ロマン(グロージャン)は(セバスチャン)ベッテルの後ろでピットロードに入ったのですが、ベッテルはフェラーリの2台目、ダブルストップでキミとの間を空けようとして、スピードリミットより遅いスピードでピットレーンを走っていました。厳密に言うとレギュレーション違反になる行為ですが、お陰でその後ろにいたロマンが結構タイムロスして、結果的に1周後に入った(ジェンソン)バトンと(ダニール)クビアトにギリギリ抜かれて、2つポジション落として15位になってしまいました。
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8/29(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
8/30(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
8/31(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


※オランダGP終了時点
1位 | オスカー・ピアストリ | 309 |
2位 | ランド・ノリス | 275 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 205 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 184 |
5位 | シャルル・ルクレール | 151 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 109 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 64 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 64 |
9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |
10位 | アイザック・ハジャー | 37 |

※オランダGP終了時点
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 584 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 260 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 248 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 214 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 80 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 62 |
7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 60 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 51 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 44 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

