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連載「FACES」第3回:フェルナンド・アロンソ

2015年8月18日

 アロンソのキャリアには、彼自身がことさらに取り上げなくとも、レース好きが大切に語り継ぐ名シーンが散りばめられている。雨の予選を制してポールポジションを勝利につなげた2012年のホッケンハイム──第1〜第2スティントではセバスチャン・ベッテルを、第3スティントではジェンソン・バトンを1秒以内の間隔で抑えながら、彼は「ピットウォールやガレージのチームより、あるいはテレビの前のファンよりも、落ち着いていたと思う」と言った。

「気が気じゃないと思うけど、落ち着いて」──これはチームからドライバーではなく、ドライバーからチームに送られた“異例の”無線。フェラーリは音声データの記録をプリントアウトして勝者アロンソに贈った。

 現役最強と評されるのは、機械の勝負であるF1において、誰もがアロンソのレースに「スポーツ選手の技」を見出せるからだ。緊迫したシーンにおいても、チームのメンバーは純粋なレース好きに戻ってレースを楽しむことができる。ただ──2014年のアロンソが、いくつもの接近戦を繰り広げたのは「タイトルがかかっていなければ冒せるリスク」に挑戦したから。シルバーストンの高速コプスでアウトからベッテルを抜きさったときには「タイトル争いをしていたら、ああいうふうに動くことはできなかった」と説明した。

「数ミリの違いでウイングが飛ぶかもしれない。タイヤが切れてバーストするかもしれない。タイトルがかかっていたら、一瞬でゼロに帰してしまうリスクを含んだ勝負には挑まないよ」

 どんなポジションを走っていても、アロンソのレースは見ていて楽しい。彼のテクニックとレース勘がF1ファンを惹きつける。それでも、フェルナンド・アロンソの最大の強みは、タイトル争いの重圧がかかっても──あるいは、重圧がのしかかったからこそ──冴えわたる勝負師の技。ファンが求めるのは、オーバーテイクの瞬間だけでなく、週末を通して身体を締めつける、ほとんど痛みをともなう高揚。彼自身が渇望しているのは、シーズンの最初から最後までを覆い尽くす緊張と、逃げ出したくなるようなプレッシャー。

 それが自分にとってのF1──郷愁にも似た気持ちで、アロンソはそんなシーズンを求め続ける。胃袋がせり上がってくるほど、つらい恍惚をファンは待ち焦がれる。ジョーカーは必要ない。1枚のエースがあれば勝負できるドライバーだと知っているから。

(今宮雅子)





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