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【レースの焦点】奇跡に賭けたベッテルのソフト投入、無謀にも見えたフェラーリの苦渋の選択

2016年10月10日

2位を守り切ったマックス・フェルスタッペン
XPB Images


 フェルスタッペンのディフェンスに対してメルセデスは抗議を提出したが、そのタイミング自体が18時14分――レース終了から2時間44分経ってからのこと。ドライバー自身がすでにサーキットを後にしていたため、スチュワードは公正なヒアリングを期して次戦アメリカGPに審議を委ねた。その後メルセデスは抗議を撤回。日本GPのレース当日中に正式結果が出ない事態は、コンストラクターズタイトルを祝うメルセデスにとっても歓迎できることではなかったのだ。

 フェルスタッペンの動きに関しては賛否両論がある。非常に高いスキルを備えたドライバーが、高い性能のマシンを手にして初めて可能になるディフェンスだからであり、後方のドライバーが対応できなければ大きな事故につながる可能性があるからだ。これまで誰も――たとえばその能力を備えたミハエル・シューマッハーもフェルナンド・アロンソも――彼のようなディフェンスを行わなかった所以である。

 ハミルトンは直後に「彼はブレーキングに入ってからラインを変えた!」と、ドライバーとしてとてもナチュラルな不満を口にした。しかし、レース後には一切フェルスタッペンを非難せず、チームが提出した抗議は自らの意志とは無関係だということを明確にした。

ポイントでウイリアムズを引き離したフォース・インディア
LAT


 日本GPのトピックスは、ロズベルグが完璧な勝利を実現し、22台全車が完走し、難しい鈴鹿のコースで事故も起こらず、セーフティカー出動もなく、レース中の“審議”すらなかったこと。表彰台争いとは離れていても、実はフォース・インディアのふたりが活躍し、絶妙のタイミングでオーバーテイクし、もっとも“レーシー”に戦ったこと。

 大切なのはそんなレースを現場で観戦したファンが今年のF1にどんな印象を抱いたか――。波乱のないクリーンなレースの現実が、生で目にして楽しいスポーツであったか、想像ほど楽しくなかったか、ということ。映像や中継放送の編集は、そんなみんなの気持ちを忠実に反映するものであるべきだ。

 日没が早い秋の鈴鹿でも、レースがスムーズに運べば日が落ちる前にリプレイが始まって、各コーナーにいたファンがグランドスタンドに集い、もう一度、映像でレースを味わう。これは、世界中の何処でも行われていないし、世界中のどの国のファンもやっていないこと――。F1界の人たちは鈴鹿に集まったファンに感謝し賞賛するだけでなく、みんなに耳を傾けるべきだと思う。夜まで鈴鹿にいても、利用できる日本→ヨーロッパのフライトは変わらない。それなら、急いだふりなど見せずに、リプレイ中のグランドスタンドに合流して、ファンのひとりになって・・・F1を感じ取れば、難しい会議など必要ないくらい、目からうろこが落ちたように、F1の魅力も欠点も見えてくるはず。

 F1界のみんなが鈴鹿のファンに感謝していることは真実――波乱のないグランプリの後、撤収の早いパドックを眺めながら、もう一歩進んでもいい時がやってきたと思う。

F1日本GPはニコ・ロズベルグが完勝
LAT



(今宮雅子/Text:Masako Imamiya)





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7位ジョージ・ラッセル69
8位ルイス・ハミルトン55
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

※カナダGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング301
2位スクーデリア・フェラーリ252
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム212
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム124
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム5
9位ウイリアムズ・レーシング2
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