Q:F1で風洞を禁止したら、空力は現在ほどの性能ではなくなってしまうのでしょうか?
これらを禁止するというのは馬鹿げた話で『テクノロジーを禁止する』と言っているのと同じことだ。チームは与えられたレギュレーションの範囲内でより良い物を作るために、こういった設備に多額の投資をしている。F1の唯一の問題点はレギュレーションだ。これが私たちが何度も目にしてきた退屈なレースの原因であり、高騰するコストの原因でもあり、そのために小さなチームの継続が困難になっている。そして。さらなる問題は、これを解決するためのメンバーが、それを作ったメンバーと同じであるということだ。
Q:現在のF1マシンが空力から得ているグリップの70〜80%を、より幅広なマシンや大きなタイヤなどによってメカニカルグリップに変換するためには、どれだけのテストが必要ですか?
もし空力グリップの70〜80%をメカニカルグリップに変換するというレギュレーションが作られて、チームが追加の実走テストなしに成し遂げたとしたら、レースがずっと良いものになるのは間違いない。現行のレギュレーションがサーキットでのテストを減らし過ぎたため、チームはシミュレーターに多くの投資をした。これらのツールがコストを高騰させ、つまらないレースを生み出した。チームとドライバーは、この非常に洗練された装置によってマシンのセッティングや設計方針を最適化する。資金を投入すればするほど、より詳細なシミュレーションができるようになる。しかし私は、これまでシミュレーションで実際の乱気流を考慮したマップを使用しているという話を聞いたことがない。完璧な気流のマップを使用しているため、マシンは理想のコンディションをもとにセッティングされる。それで、なぜオーバーテイクが難しいのかと言われても当然のことだと言うしかない──。