☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
相手が誰であろうとブランシモンでアウトラインから並び、攻め続けるプレーに大器の可能性をはっきり見た。8位という結果以上に強烈なインパクトを魅せた17歳。現在進行形で「伸びる天才」、後半戦さらに注目したい。
☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
F1に限らずレーシングスポーツを支えているのは4本のタイヤ。その「真理」を訴えたいからこそ、レース後、彼は態度と言動でアピールしたのだろう。43周目、あのバースト(暴発)の背後に、もしロマン・グロージャンが急接近していたら、もしマシンが反転して丘にいる観衆のなかに飛び込んだら……と想像していただきたい。臆せず警告を発したベッテルの行動を支持する。
☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン
完璧のひとこと。6戦連続ポールポジションの取りかた、Q2まで相手ロズベルグを行かせ、Q3でとっておきの力を出しきる。0.827秒タイムアップ、これはロズベルグにとってショック。今季10戦、予選Q2は5勝5敗で互角、だが最後の勝負Q3になると9勝1敗。後半の開幕戦も予選から翻弄し、新スタート手順を決め、43周を完璧に進めた「2.058秒差の大独走」だった。
☆☆☆☆☆ ロマン・グロージャン
向かい風がロータスとグロージャンの“追い風”になった。日曜のスパは朝から風速10m以上の強い南風に一変、ケメルストレート・エンドのレ・コーム進入は向かい風に。そこでグロージャンは常に限界ぎりぎりのブレーキング、マシン空力設定をおそらく前寄りにしていたのだろう。減速挙動が安定、だから差し込み、抜けた。アップデートなど何もなく、財政逼迫したビンボー・チームで3位は勝利に等しい。身内に不幸があった週末、「全身全霊を込めた走り」を亡き祖父に捧げた。ベストタイムは12位でも43周にわたって全力ペースを持続、グロージャン75戦目の最高に“いいじゃん・レース”──。