☆☆☆☆ ダニール・クビアト
強風吹きつけるシルバーストーンでダイナミック・ダウンフォース向上が見られた。ニューウェイさん陣頭指揮、コーナー出口速度を高めて非力なルノー・パワーをカバー。フェラーリ勢と争うレース展開を遂行していただけに、44周目ピットイン・ラップのスピンが惜しまれる。実力的にはフェラーリへ肉薄、次戦「ハンガリー反攻」に期待が持てる。
☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
14周目、いち早くハードタイヤへ。もし雨が降らずにいたら残り38周走りきれたのか。ハードタイヤで最長29周を走り、ハミルトンと同じ43周目にインター・チェンジ(シャレではないです)。好判断によって劣勢だった流れをひっくり返し、3位獲得。ウエットで見せた逆転劇、2008年雨のイタリアGP初勝利をチラッと思い出した。
☆☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン
モナコの教訓からか、レースリーダーは冷静な自主判断によって43周目にピットインを行った。その前の42周目にはロズベルグに3.745秒差まで迫られ、ピンチになりかけたときの決断だから勇気が要る。この週末、初日からセットアップに悩み、46回目のポールポジションは獲ったもののスタートで後退。ピンチを克服した末の快勝、スポーツ性あふれる、わかりやすいゲーム内容で大観衆14万人の声援に応えた。ちなみに今年イギリスGPのチケット価格が見直されて10歳以下は無料に。安価ならスタンドは埋まる。昨年のレッドブルリンクも、そうだった。
☆☆☆☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
英国にベースを置く7チームで、最もシルバーストンに近いフォース・インディア。その地の利を活かし、グリッド路面の状態など徹底的にリサーチしていたのだろうか。そう思わせるくらいヒュルケンベルグのスタートは完璧なクラッチ・ミート、ホイールスピン皆無。ウイリアムズに目が行くと同時に、彼のダッシュに目が点に(!)。9番グリッドから5番手へ、かきわけるプレーを、あの“大混走ル・マン24時間”でいっそう磨いたのでは。Bスペック初戦にドライ〜ウエットを経験できてチームはたっぷりデータを集積、この7位には6ポイント以上の付加価値がある。