レッドブルは、ダニール・クビアトが非常に興味深いロングランを行っています。彼はハードタイヤを履き、9周の連続走行を行いましたが、そのペースは非常に優れていました。ハード装着にも関わらず、ミディアムを装着したロズベルグやベッテルに近いペースを発揮したのです。ミディアム装着のダニエル・リカルドも、非常に良いペースで、燃料搭載量などの条件は分かりませんが、メルセデスAMGやフェラーリを脅かす戦闘力を秘めているかもしれません。クビアトは「まだ金曜日だからね」と謙虚な姿勢を崩しませんが、強いレッドブル“復活”となるのでしょうか?
また、トロロッソも非常に良いペースを発揮しています。セッション後半、カルロス・サインツJr.とマックス・フェルスタッペンは揃ってミディアムタイヤを履き、10周の連続走行を行っています。彼らのペースは1分38秒台で揃っていて、これはフェラーリやメルセデスAMGと同等でした。それ以前のペースと比較すれば、この時の燃料搭載量は少なかったと想像できますが(サインツJr.はそれ以前にミディアムタイヤで14周のロングランを行いましたが、この時のペースは1分39秒台でした)、彼らはミディアムとハード双方のロングランも行っており、準備は万端に見えます。ただ、フェルスタッペンは「メルセデスだけが僕らより少し速い」と自信を見せていますが、ミディアムでもハードでも、デグラデーションが若干大きいというのが心配なところ。1周あたり0.1秒前後のデグラデーションであり、ここが最大の弱点ということになりそうです。
それ以外のチームも迫っています。ウイリアムズのフェリペ・マッサは、ミディアムでもハードでも1分38秒台後半から1分39秒台前半で走行しています。さらに、Bスペックマシンを投入してきたフォース・インディアのペースも上々で、入賞争いに加わってくることになりそう。ただ、これらの2チームは安定したロングランを実施できておらず、彼らの戦闘力を読むのは、非常に難しいというのも正直なところです。ロータスとザウバーは、上位チームからは若干離れているようで、今回入賞を争うのは難しいかもしれません。マクラーレン・ホンダはさらに離れた位置。パワーユニットの使用制限のためか、初日はあまり多くの周回をこなすことができませんでした。
あくまで、初日の走行を分析した限りでは、イギリスGPは今季稀に見る大接戦となりそう。メルセデスAMGが最速マシンであることは間違いなさそうですが、そのリードはいつもより小さく見えます。当然、ここまでの各レースを見る限り、W06は総合性能でも抜きん出ているはずですが……。ただ、それ以下は本当に大混戦。その中でもレッドブル・グループの4台がどれほどの戦闘力を見せるのか? 今季初の表彰台の可能性もあると思います。土曜日以降の走行セッションにも、ぜひご注目ください。
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