ベッテルは、トップの座を譲ることなく、37周目にミディアムへ交換する2回目のピットストップを行い、チームメイトのマーク・ウェバーに30秒差をつけて優勝しました。レッドブルは、今シーズン3回目のワンツーフィニッシュと、チーム通算100回目の表彰台獲得を達成しました。フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ソフトタイヤで11周の最終スティントを走行する戦略を採ったことにより、終盤に数台をオーバーテイクして5位でフィニッシュしました。マクラーレンのジェンソン・バトンは、ミディアムタイヤで44周を走行しました。レース序盤のフロントウィング損傷によるピットストップがなければ、バトンは1ストップ戦略を遂行できたものと見られます。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「まず、優勝したセバスチャン・ベッテルを祝福したいと思います。両コンパウンドの摩耗とデグラデーションのレベルが良好だったため、ソフトタイヤでも長い第1スティントが可能となり、多彩な戦略が展開されました。セバスチャンは、予選で使用せず決勝に残した新品のミディアムタイヤ2セットを最大限に活用し、トップの座を一度も譲らない見事なレースを行いました。例年通り、決勝を通じて大幅な路面の改善と温度の低下が見られましたが、おそらく我々が想定したほどではありませんでした」
コンパウンド毎のラップタイム上位:
ソフト
1 アロンソ 1分43秒434
2 ボッタス 1分44秒351
3 スーティル 1分45秒609
ミディアム
1 ベッテル 1分43秒893
2 グロージャン 1分44秒301
3 ウェバー 1分44秒364
最長スティント
ソフト 44周(バトン)
ミディアム 28周(スーティル)
Truth-O-Meter:
55周で争われるアブダビグランプリの戦略として、我々は1ストップを予測しましたが、2ストップが主流のレースとなりました。アブダビは、レースの進行とともに温度が低下し、タイヤの摩耗とデグラデーションに直接的な影響を及ぼすため、シーズン中で戦略の予測が難しいレースのひとつとなっています。
我々が予測した2ストップ戦略は、ソフトでスタートし、9周目にミディアムへ、32周目にミディアムへという戦略でした。ベッテルは、同様の戦略を採りましたが、より長いスティントを走行し、14周目と37周目にピットストップを行いました。