【レースの焦点】“苦難の時代”を思い起こさせるメルセデスの敗因/F1第3戦バーレーンGP
2017年4月18日
その後も「走り始めは良くても、不可解なほどリヤに苦しんだ」と言う。ポールポジションから勝利を目指したレースは、思いがけないほど辛い内容になってしまった。タイヤ管理が巧いボッタスだけに、悩みは深い。
その様子を真後ろから見ていたハミルトンは、いったん自分を前に行かせてほしいとチームに提案する。「彼(ベッテル)を捕まえることができなかったら、バルテリにポジションを返すから」と──。しかしメルセデスがその提案を受け入れ、ボッタスにチームオーダーを告げるまでには5周を必要とした。
第2スティントもスーパーソフトを履いたボッタスに対して、ソフトを履いたハミルトンは1秒以上速いペースを持っていた。だが、必ずしも常にボッタスのDRS圏内を走っていたわけではないのだ。
前のマシンに近づけないメルセデスの弱点は、ハミルトン/ニコ・ロズベルグの戦いにおいてはドライバーの悩みに留まっていた。しかし他チームとの接戦を強いられる今シーズンはチームが抱える問題となる。
33周終了時点でスーパーソフトからソフトに交換したベッテルは、ハミルトンの15秒後方でコースに戻った後、ファステストタイムを記録しながら間隔を詰めていく。5秒ペナルティを抱えたハミルトンに可能な対応策は、2回目のピットインを遅らせ、ベッテルよりずっとフレッシュなタイヤで第3スティントを攻めること。しかし41周目のタイヤ交換の後、19秒まで開いたフェラーリとの間隔を逆転することは不可能だった。
メルセデスの追い上げに動揺することなく、ベッテルはマシンを労わり、大切にゴールまで運んだ。
メルボルンに続いて、タイヤのオーバーヒートに苦労したメルセデス。
「軟らかいコンパウンドほど、そして暑くなるほど、僕らは苦労している」と、ボッタスは端的に表現した。バーレーンで経験したいくつかのミスやトラブル以上に、マシンとして抱えた問題を解決するには時間が必要だ。フェラーリとの接戦に備えるためには、前のマシンに近づけない弱点もなんとかしなければならない。
暑さに強くタイヤに優しいフェラーリにとって、これは大きな自信──予選仕様のメルセデスパワーには負けても、シーズン中に予想される大半の気候において、レースでは逆転できることを証明してきたのだから。
砂漠のバーレーンに花火が上がり、イタリア国歌が高らかに流れる。メカニックたちの大合唱に合わせて、ベッテルも口ずさむ。イタリアが目覚めた。「勝利の女神」はいまスクーデリアとともに──。ハードワークを続けたメカニックたちひとりひとりの笑顔に、女神が微笑んだ。
(Text:Masako Imamiya)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |