──風洞実験で得られたデータと実際のテスト結果の相関は、いかがでしたか。
だいたい想定したとおりですね。もちろん(想定よりも)良かったところもあるし、もうちょっとだったところもありますが、引っくるめて、おおむね予想していたとおりの結果です。
──バルセロナのテストでは後半、風が強かった。コンディションによる影響は、ありましたか。
条件が変わったときでも、安定してダウンフォースが出せるような開発をしてきたので、私たちにとっては良いテストになりました。安定してダウンフォースを出すというのは今年に限らず毎シーズンやっていることですが、その部分は昨年夏のアップデートで、かなり良くなりましたので、良い部分は引き継いでいかなければなりません。
──昨年のマシンを担当したホールさんへの対抗意識はあるのでしょうか。
デザインチームというのは、少なくともフォース・インディアの場合は、チーム内で完全に分かれて組織されているわけではなく、開発の都合でオーバーラップする部分があるので、お互い協力しながらやっています。だから「あいつに負けたくない」とか、そういう気持ちはありません。特に空力というのは積み重ねが大切なので、お互いにやっていることがわからないと、実際問題やっていけない。チームとして開発を、いかに継続してやっていけるか。どちらが担当していてもチームとして良い方向に行くことが一番です。
──ずばり今シーズンの目標は?
昨年は、とても良いシーズンだったので、昨年と同じか、それより上に行きたいっていうのは当然ありますが、まあ難しいですよね。順位って相対的な話なんで、昨年は苦しんでいたチームが今年は必ず巻き返してきますから。レッドブルもレッドブルで、ずいぶんとクルマの性能を上げてきている。あのクルマ(RB12)は相当速いですよ。
(尾張正博/Text : Masahiro Owari)