アリバベーネはより深刻に不安を感じているようだ。フェラーリが最後にコンストラクターズタイトルを獲得したのは8年前、ドライバーズタイトルに至っては9年前になるのだから無理もない。2016年は再び、フェラーリの年になるだろうか?
アリバベーネは「我々は本当に一生懸命に仕事にあたっている。緊張感を抱いているし、将来に不安を感じて恐れてもいるので、気を抜いてなどいられない。2015年には(コンストラクターズランキング)2位になったが、1位のライバルがこれから何をしていくのかを、常に意識しなければならない。昨シーズンの彼らが一強状態だったことを考えればことさらだ」
「新たなことを始める上での意欲や興奮に起因するものなので、この不安感は前向きで、むしろ良いものだ。レッドブルやウイリアムズといった我々のライバルチームを、ひとつとして過小評価するべきではない。彼らも当然、脅威になり得る。マクラーレンも競争相手になるかもしれない」と語る。
当然ながらすべての目は、またもセバスチャン・ベッテルに注がれる。4度のチャンピオンを獲得し、1993年以来初となる無勝の2014年を過ごしたフェラーリを窮地から救った男だ。マルキオンネは昨シーズン後半に別人のように変化を遂げたキミ・ライコネンが、今シーズンは「驚異的な1年を送るだろう」と期待とプレッシャーをかけている。
予選がアキレス腱となっているライコネンが、少なくとも土曜日の午後にベッテルに近づくことができるようになれば、ふたりはメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのコンビにプレッシャーをかけることが可能になる。今シーズン開幕に向け、メルセデスが打ち負かすべきライバルチームであり続けるだろうことを、ベッテルは認識している。しかし、その支配に風穴を開けるだけの自信も見せた。
「メルセデス好調の原因はパワーユニットだけではなく、色々な要素の組み合わせだったんだ」とベッテル。
「メルセデスは素晴らしいマシンだったし、大幅な進歩もしていた。彼らのエンジンが強いことは分かっているし、今後もそうであると予想しているから、それについてはわざわざ語らなくてもいいだろう。彼らに挑戦するならば、誰であれ大きな前進が必要だ。そしてそれが僕らの目標なんだ。より強いマシンをつくり上げるために、多くのことを試そうとしている。ライバルチームの会議室で何が起きているのかはもちろん分からないが、マラネロで何が起きているのかは知っている。それはとても期待が持てそうなことだ」
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