そして、もっとも魅力的なのは、ギヤチェンジできるという点だろう。ステアリングにアップ/ダウンのシフトチェンジボタンが配されていて、4段変速式になっているのだ。ただ、実際に機械的なギヤチェンジが行われているわけではなく、あくまでも電気的なコントロールによって、感覚を味わうことのできる“擬似的な”変速。佐藤琢磨曰く「EVということで動力系が非常にシンプルになり、ギヤボックス体験ができるようになった」という。
しかもこのギヤチェンジは、ただ速度が変わるだけではないと、佐藤琢磨は言う。
「しっかりとパワーバンドに入れた状況でギヤを変更しないと、速く走ることができないように設定されています。例えば上り坂では、ダウンシフトしなければちゃんと走れない。レーシングドライバーが、常にパワーバンドに入れて走っているのを、体感できるようになっています」
つまり、実際のギヤボックス同様の操作をしなければ、マシンを上手くコントロールできないのだ。動かすこと自体はとても簡単だが、しっかり走らせるのは難しい……それが、Circuit Challengerなのである。なお、営業が始まると、これらのマシン操作がデータとして記録され、挑戦者の走行が採点されるという。
「1回走っただけじゃ、絶対に満点は出ないと思います。大人がやっても出ない。だから、何度もチャレンジして欲しいですね。チャレンジすることの楽しさを、カートを使って味わってほしい。そして、色々な名勝負が生まれた鈴鹿を、体感して欲しいですね」
採点内容については、現在設定を行っている最中ではあるものの、ギヤチェンジ、アクセルコントロール、ステアリングコントロールなどの課題をどのくらいクリアできたかによって、C、B、A、Sのランクが与えられるという。
「ミッション設定が完了したら、僕も挑戦したいと思っています。レーシングドライバーとしての血が騒ぎますね」と佐藤琢磨は言う。
F1と同じコースを走ることができる最新のEVアトラクション“Circuit Challenger”は、3月19日(土)に営業開始予定。詳しくは鈴鹿サーキットホームページ(http://www.suzukacircuit.jp/motopia_s/challenger/)まで。