明らかに不確定な状況であるにもかかわらず、ピレリはタイヤサイズの拡張や、現状は最終合意に至っていない空力部分の変更が盛り込まれる2017年のレギュレーション改革に意欲的な姿勢を見せている。
「我々は当然2017年に導入される予定のプランとともに前進を続けている。進まない理由はない。とはいえ、当事者同士が歩み寄っていけないのではないか? という見方があるのも当然だ」
レギュレーション変更の結果、ダウンフォースの増加によって生じる荷重にピレリタイヤが耐えられず、これによって当初4秒から5秒と見込まれていたラップタイムの短縮が3秒程度になるとの憶測が報じられているが、これをヘンベリーは強く否定した。
「2017年については新レギュレーションのタイヤサイズを決定するにあたり、テクニカル・ワーキング・グループと10月、11月、12月と議論を重ねてきた。たとえば現在の動作条件下で、新しいタイヤが耐えられる荷重を示したデータを提出するよう求められた。最近(ピレリタイヤは)50〜60%の荷重の増加に耐えられないとの誤解があるが、もちろん耐えられる」
「動作条件を変更しなければならないだけで、それにはタイヤのエアカプセルも含まれる。タイヤの直径が大きくなると、タイヤ内部により多くのエアが入ることになり、プレッシャーも増加する。それによってパフォーマンスの低下を心配する人がいることは知っているが、実際には荷重を60%増やすと、そのぶんタイヤを地面に押しつけることになるため接地面の条件は変わらない」
「ちょっとした混乱が起きているようだ。本当の問題は全体的なパフォーマンスのレベルだ。みんなは2015年よりもタイムを4秒短縮するということを話題にしている。パワーユニットや空力パッケージには自然な進化が見られるだろうし、それにタイヤが加われば4秒から5秒タイムが短縮される可能性は非常に高い」
(Translation:Akane Kofuji/オートスポーツweb )