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今宮純によるF1パラドックス総括・ドライバー編

2015年12月28日

 レーサーとして本来もっとも進化する20代の中盤にシューマッハーと組んだことが、彼の伸びしろをスポイルしたのではないか。そう感じたチーム首脳陣は2013年にマクラーレンからハミルトンを招聘、それは2014年の新パワーユニット革命に備えるメルセデス総体のタイトル奪取計画の一部でもあった。同年代ふたりを競合させることによって王座を獲る──。

 私見だが、過去3冠のハミルトンと無冠ロズベルグに、速さで「3対0」の差はないと思う。日本GPからの6戦連続ポールポジションが証明するように、ロズベルグは雨がらみで走行時間が制限される条件が続いた場合やメキシコGP初コースでセットアップ能力を活かしきった。頭脳派と言われるゆえんだ。この能力を自信に置換した最終盤3連勝は、相手がタイトル決定後で心技体100%でなかったにせよ実力勝ちだ。でも、時すでに遅かった。

 ロズベルグに、もっとシーズンを面白くしてくれなかった“罪”を感じる。十分な速さはあるのに攻めこめず守りきれず「1対1勝負」の決闘に脆かった。3冠と無冠の差が、ここに集約される。ハミルトンとのチームメイト対決4年目、来シーズン200戦を超える彼に、このまま引き下がってほしくない。





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