ただ、ロズベルグのタイヤバースト、およびマーカス・エリクソン(ザウバー)のクラッシュによって、FP2では2回もの赤旗中断があったため、各チームはじっくりとロングランを行う時間を失ってしまいました。結果、どのマシンがレースペースに優れているかを把握することは、現時点では非常に困難です。しかし、僅かながらも各チームが実施した連続走行から、そのレースペースを想像してみましょう。
レースペースでも、やはり一番速そうなのは、メルセデスAMGです。ロズベルグとハミルトンは、ソフトタイヤを履いての連続走行を実施しました。彼らのペースは、1分54秒台後半で綺麗に揃っており、4〜5周という短い走行ながらも、デグラデーションの傾向はほとんど見られません。つまり、レースでも強さを発揮するのは、おそらく間違いないと思われます。
トロロッソのカルロス・サインツJr.は、メルセデスAMGと同じように1分54秒台後半から、ソフトタイヤを履いての走行をスタートさせました。しかし、彼のペースからは、大きなデグラデーションの傾向(4周で1秒強、つまり1周あたり約0.25秒タイムが下落していました)を見て取ることができます。走り出しのペースは優秀と言えますが、とてもメルセデスAMGに太刀打ちできるような戦闘力があるようには見えません。サインツJr.も走行終了後、「このコースは僕らのマシンには合っていない」と、冷静な分析を示しています。
タイムシート上では下位に沈んだウイリアムズは、レースペースでは浮上してきそうです。バルテリ・ボッタスは5周の連続走行をソフトタイヤ装着で行っていて、1分55秒台前半から後半にタイムをまとめています。デグラデーションの傾向も見えません。メルセデスAMGからは大きく離されたペースではあるものの、2番手を争ううちのひとつということになりそうです。
セッション終了後、ボッタスは「今日のタイムは僕らの力を正確に反映したものじゃないから」とコメントを残せば、チームメイトのフェリペ・マッサは「トップを狙いにいかないのは、ウイリアムズにとっては典型的な金曜日だから」と語っています。土曜日以降、彼らがどれほどパフォーマンスをアップさせてくるのか、非常に楽しみなところです。フォース・インディアも、周回数はそれほど多くはありませんでしたが、ウイリアムズに近いペースで走行を行っており、彼らが予選/決勝でどのようなパフォーマンスを示すのかも、注目されるところです。
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