☆☆ フェリペ・マッサ
意地を張るマッサ。ロケットスタートを決めてトップに出たからには守り抜く。2番手バルテリ・ボッタス相手に微妙な“ブロック”、別に悪いことではないが13周目のハンガーストレート・エンドで捨てバイザーをポイと後ろへ。強まるアンダーステア傾向が見てとれ、なんとか修正しつつチームメイトを抑え込んだ。しかし、ウエットに難があるマシン特性ではフェラーリに対抗できず。
☆☆ フェルナンド・アロンソ
予選アタックで見せたマゴッツからのS字コーナリングは、すさまじかった。「パワーに頼れない」現状ではコーナー維持速度を限界ぎりぎり保つほかない。セクター2タイムは14位へ上昇、でもマノーなみの直線鈍足でセクター1は18位、セクター3は17位。スタート直後の混乱でノーズを破損しながら、ハイペースのまま9番手でピットへ。アロンソならではの技だった。彼のファンは10位1点よりも、こういうプレーを喜ぶだろう。
☆☆☆ バルテリ・ボッタス
彼でなければ序盤早々に「自分のほうが速い!」と叫び続け、もっと激しくチームにアピールしただろう。その後お許しが出たものの自重してチームメイトに追従、雨が落ちてきてからはペースダウン。珍しくインターミディエイトでのタイヤ・マネージメントに苦心していた。総括すると「忍耐の第9戦」、来季以降に関して噂が立ちこめるいま内心いろいろ考えているのではないか。
☆☆☆ ニコ・ロズベルグ
39周目にボッタスをマゴッツS字で、41周目にマッサを3コーナーでオーバーテイク。濡れた路面でスパート、自力で2位を取り戻し、ルイス・ハミルトンと17点差に食い止めたのは大きい。オーストリアGPから、ずっと表情に負けん気が見える。まだ10戦あるのだから、いまのモチベーションを持ち続けてもらおう。