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ホンダ密着:走りこめない苛立ちと新仕様への期待

2015年6月20日

 信頼性だけでなく、レッドブルリンク特有のレイアウトもホンダの頭を悩ませている。

「ラップタイムが1分10秒前後で、あっという間に周回してしまう。2本のストレートがあって、そのストレートエンドはハードブレーキングだが、ブレーキング時間は決して長くないので、エネルギーの回生が難しい。にもかかわらず、上り坂があるのでパワーが欲しい。エネルギーのマネージメントが難しいコースなので走り込みしたかったが、やり切る前に走行を終えざるを得なかった」(新井総責任者)

 満足な状態で十分に走り込めなかった2台のマシンは、車体のセットアップだけでなく、エネルギーマネージメントのセッティングも完了することなく、初日を終えることになってしまった。もちろん金曜日の夜にマクラーレンとホンダのエンジニアは少ない走行データを解析して、土曜日に向けて、できる限りの改善を行ってくるだろう。しかし、それはライバルたちも同じ。「初日フリー走行の順位は正直なポジション」だと、新井総責任者は厳しい戦いを覚悟している。

 しかし、金曜日の午後からショートノーズの新空力パッケージをまとって走り始めたアロンソのマシンは、まったくセッティングできていない状態でレッドブルのダニエル・リカルドより速く、ロングランをチェックしていたウイリアムズ勢とコンマ5〜8秒差。予選までに、どこまでタイムを伸ばせるか。厳しい状況下にも、期待を感じるオーストリアGP初日となった。

(尾張正博)





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