☆☆ セバスチャン・ベッテル
3度目の3位を喜ぶべきかどうか。“スペイン・ファッション”に衣替えしたSF15-Tだが路面温度が約50度まで上昇するなか、猛暑マレーシアGPのようなレースペースは見られなかった。そつなく決めたダッシュによって序盤2番手をキープできたものの、しだいにトラクション不足が露呈。セクター3タイム9位は、6位ジェンソン・バトン以下。これをなんとかカバーしたベッテル。このセクター3はモナコやカナダの指標となる。フォルツァ・フェラーリ!
☆☆☆ ジェンソン・バトン
FP2に関しては今年いちばん良い内容だとテレビ中継で申し上げた。が、FP3をセクター1で注視していて訂正したくなった。ホンダ特有の濁ったパワーユニット音が不協和音をまき散らし、トラクションはなく唐突にトルク反動が起きる。回生力とターボラグのマップ制御がシンクロしていない。ほとんど画面に映らなかったバトンのレース、「人生で最も怖かった30周」と温厚な彼が語る言葉は重い。誤解を恐れずに言わせてもらうと、2月22日フェルナンド・アロンソ事故の件がよぎった……。
☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
80km/hで制動不能、26周目のピットで起きた異常事態。アロンソでなければマシンは激しく斜行してピットガレージに突っ込んでいただろう。よく、まっすぐ止めきれた。人前では強気(ポジティブ)なコメントをサービスするサムライも、パドック裏を歩いている時など沈思黙考する姿が多くなってきた。この週末ずっと濃いサングラスでいた気持ち、よくわかる。
☆☆☆ ダニール・クビアト
チーム首脳陣からのプレッシャーが強まっている。正直なひとことがマシン批判と報じられてしまうので、グループインタビューでも慎重な態度に変わってきた。だが、コース上では不変。乱れがちなドライバビリティに俊敏に対応し、今年初めて予選でチームメイトに先行した。