F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F速分析:厳しい跳ね馬、ハミルトンのしたたかさ

2015年4月13日

 その速さがありながら、第2スティントではベッテルの方がハミルトンよりもコンマ1〜2秒速いペースで周回し、両者のギャップはそれまでの5秒前後から、一気に3秒台まで近づきました。ここで一番、窮地に追いやられたのが、両者の間に入っているロズベルグです。2番手ロズベルグはベッテルの差が1.5秒前後に縮まり、2番手のポジションを奪われかねません。「(ハミルトンに)もっと速く走ってくれと言ってくれ」とロズベルグは無線でチームのエンジニアに訴えますが、ハミルトンのペースは変わりません。

 ペースを守ったまま前を行くトップのハミルトンの意図としては当然、タイヤと燃費とセーブしたいという思惑があるでしょうが、さらにその先の隠れた動機も見え隠れしました。後ろでベッテルとロズベルグを戦わせて、もしベッテルがロズベルグを抜けて2番手になれば、チャンピオンシップのライバルであるロズベルグとのポイント差をさらに広められる、という魂胆です。

 第2スティントで見えたハミルトンのしたたかさが、どこまで本当なのかはもちろん、当人しか分かりません。ただ、確実に言えることは目先の勝利だけでなく、チャンピオンシップを見据えて考えられる精神的な余裕がハミルトンにあったことは確かだということです。実際、第2スティント終わりのピットストップ前のインラップで、ハミルトンはそれまでの1分43秒6前後のラップタイムから、1.4秒も速い1分42秒2を2周続けてマークしました。この1.4秒のギャップは、ベッテルのインラップのタイムとの差と同じです。プッシュすれば1秒以上、ベッテルより速い。この圧倒的な速さが心の余裕を生み出し、2番手以下のレースを、そしてチャンピオンシップまでをコントロールする欲求につながったと想像できます。

 今回のレースの優勝争いは実質、このハミルトンの第2スティントのインラップで決まったと言えます。ベッテルが第2スティント終盤に狙った2度目のアンダーカットも、このインラップのタイム差では敵いません。さらに、フェラーリ&ベッテルはミディアムタイヤのパフォーマンスが懸念されていましたが、レースでの第3スティントのタイムも実際、ハミルトンから0.5秒以上遅いタイムしか刻めず、プライム(硬めの)タイヤでの弱点を露呈することになりました。第3スティントだけを比較すると、ベッテルはウイリアムズのマッサと同等以下のペースになってしまいます。

 今回の中国GPはスタート時で20℃、路面温度が46℃と穏やかなコンディションでした。マレーシアGPのスタート時の気温33℃、路面温度61℃と酷暑のコンディションでのオプション(マレーシアではミディアム)タイヤではメルセデスを凌ぐ速さと周回数を誇ったフェラーリですが、同じミディアムタイヤでも、今回の中国のように気温が低めの場合、メルセデスとは逆に不利になってしまうことが露呈してしまいました。今後はハミルトンのしたたかなレースぶり、そして気温によってレース展開、そしてチームごとの勢力図がどう変わるのかも、大きな見どころになります。
(F1速報)





レース

6/28(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
6/29(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/30(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※オーストリアGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン237
2位ランド・ノリス156
3位シャルル・ルクレール150
4位カルロス・サインツ135
5位セルジオ・ペレス118
6位オスカー・ピアストリ112
7位ジョージ・ラッセル111
8位ルイス・ハミルトン85
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

※オーストリアGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング355
2位スクーデリア・フェラーリ291
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム268
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム196
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム30
7位マネーグラム・ハースF1チーム19
8位BWTアルピーヌF1チーム9
9位ウイリアムズ・レーシング2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第11戦オーストリアGP 6/30
第12戦イギリスGP 7/7
第13戦ハンガリーGP 7/21
第14戦ベルギーGP 7/28
第15戦オランダGP 8/25
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.6 第7戦エミリア・ロマーニャGP & 第8戦モナコGP & 第9戦カナダGP号