【第13戦イタリア・フリー走行1回目】ニコ・ロズベルグ←「左フロントが我々のリミットになるだろう」
イタリアGP決勝、1コーナーで激しくフロントをロックさせて、ハミルトンに首位を奪われたロズベルグ。金曜フリー走行から、すでに予兆はあった。「左フロントをロックさせてしまい、すごく大きなバイブレーションが出ているんだ」と言うロズベルグに対し、チームは左フロントをいかに守ることができるかが勝負の鍵になるだろうとアドバイスしていた。果たして、決勝レースでロズベルグは9周目に「フロントをロックさせてしまった」と報告。ピットストップ直後の29周目、1コーナーで再びロックさせてオーバーシュートして首位から陥落した。モンツァでロズベルグはブレーキングに苦しみ続けていたのだ。
【第14戦シンガポール・予選Q2】ロメイン・グロージャン→「そんなの知ったことじゃない!」
予選Q2開始直後に「ノーエンジン! ノーエンジン!」と叫ぶグロージャン。小松礼雄エンジニアが「FP3と同じトラブルだ、すまない」と伝えると、「そんなの知ったことじゃない! トラブルが多すぎる!」とグロージャンは熱くなる。ルノー製パワーユニットの信頼性不足に苦しめられた上、ロータス側も空力的に不安定なマシン、さらにパーツ個体差の問題も抱え、原因不明の問題が多発するストレスの溜まるシーズンとなった。ただし、無線で不満をわめき散らしてばかり──という印象のグロージャンだが、小松エンジニアは努めて冷静に対処。グロージャン自身も走行後に状況を把握すると素直に謝ることも少なくなかったという。
【第16戦ロシア・決勝LAP17】小林可夢偉←「プランB、スーティルと戦っているぞ」
シンガポールGPあたりからスペアパーツ不足が深刻化し、鈴鹿FP2のクラッシュ以降は旧スペックのフロントウイングやカウル、フロアで走ることを余儀なくされていた小林可夢偉。それでも戦略面で工夫をして、ザウバー勢を喰うための努力を懸命に続けていた。ロシアGPでも可夢偉とエンジニアたちはあきらめずに戦っていたが、クラックの入った左リヤサスペンションをはじめ寿命の過ぎたパーツで走り続けるのは危険と上級エンジニアが判断、21周目にピットインしてリタイアを指示した。可夢偉は、こんな状態でレースをスタートしたことに不満を露わにしたが、チームは内情を知られることを恐れてリタイア理由を「ブレーキ過熱のため」と公式発表したことで、余計にギクシャクした雰囲気となってしまった。
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