ロングランに秀でているのは、やはり今回もウイリアムズのようです。ウイリアムズは、フェリペ・マッサにソフトタイヤを履かせてロングランを敢行しましたが、この時のペースはメルセデスAMGに肉薄するものでした。ただ、ウイリアムズとメルセデスAMGのロングランでもっとも大きく異なるのは、ソフトタイヤのデグラデーション値です。ウイリアムズはソフトタイヤで1周あたり平均0.28秒のデグラデーションを発生させていましたが、メルセデスAMGはほぼゼロ。ウイリアムズはタイヤ交換直後はメルセデスAMGについていくことができそうですが、間もなく徐々に引き離される……というレース展開になりそうです。なお、ウイリアムズのソフトタイヤでの平均ペースは1分44秒75程度でした。
フリー走行1回目で3番手4番手につけたマクラーレン勢も、今回注目しておきたいところです。シンガポールGPあたりからメキメキとパフォーマンスを上げてきた感のある同チームは、今回も高いレベルのパフォーマンスを発揮しそうです。マクラーレンはシーズン終盤になってもマシンの開発を継続しており、その効果が現れ、タイヤを上手く使うことができるようになり、ひいてはペースの向上にも繋がっているとのことです。メルセデスAMGとウイリアムズからは少し離されるかもしれませんが、それでもその次の位置を、レッドブルおよびフェラーリと争うことになりそうです。ただ、ソフトタイヤを履いた時のペースが少々劣るように思われます。
そのレッドブルは、パワーユニット交換が決まっているセバスチャン・ベッテルがピットレーンからレースをスタートしなければならなくなっています。そのためベッテルは、フリー走行2回目ではタイムアタックはせず、ソフトタイヤでのロングランに専念しました。このロングランを見る限り、彼らのデグラデーション値は0.13秒/周といったところ。平均ペースはフェラーリより若干遅いといった印象です。ただ、この時のペースはミディアムタイヤでロングランを行ったダニエル・リカルドと比較すると燃料を多く搭載していたはずで、フェラーリやマクラーレンに先行できる可能性があります。とはいえ、ベッテルは最後方からのレース。かなり厳しいレースになることは間違いありません。