まず、今回のレースの舞台であるバーレーン・インターナショナル・サーキットは、長い4本の直線を持と低速コーナーを持つサーキットです。つまり、パワーユニット(PU)の性能がモノを言います。新レギュレーション導入初年度の今年は、メルセデス製PUが、ルノーとフェラーリのPUよりも大幅に優れていると言われています。今回の予選では、リカルドが意地を見せて3番手に飛び込んできましたが、予選トップ10中実に7台がメルセデス製PU装着車。リカルドのラップは、ある意味奇跡的だったと言えるかもしれません。また、1コーナー手前で計測される最高速度でも、トップ10台中8台がメルセデス製PU搭載マシン。これらのデータから判断するに、決勝でもメルセデス製PUユーザーが優位であると断言できます。
だた、直線スピードが速いだけでは、レースに勝つことはできません。“タイヤのデグラデーション”と“燃費”が大きく勝負を左右してきそうです。
まずタイヤのデグラデーションから見ていきましょう。金曜日のフリー走行2回目では、各チームがロングランを行いましたが、メルセデスの2台はペースをあまり落とすことなく、ソフトタイヤでの周回を重ねていたのが印象的でした。
フォース・インディアも速いペースで周回していたのですが、タイヤのデグラデーションはメルセデスより大きく、予選の差を埋める要素にはならなそうです。ただ、前回のようにタイヤ交換の戦略を他チームと変えることで、順位を上げるという戦略は可能でしょう。ウイリアムズについてはロングランを行わなかったため予測は難しいですが、オフシーズンのテストでこのサーキットを徹底的に走り込めており、データをたくさん持っているはずです。
もうひとつのメルセデスPU使用チームであるマクラーレンは、ロングランは他のメルセデスPU搭載3チームに比べてかなり低いレベル。今回のレースでメルセデスに肉薄するのは難しそうです。
なお、ルノーPUユーザーですが、レッドブルのロングランはメルセデスに匹敵するレベルにある可能性があります。ただし、2台ともに後方からのスタートとなること、直線スピードで劣るためにオーバーテイクに苦労するであろうことを考えると、楽な戦いではなさそうです。フェラーリのロングランは、全体的に0.5秒程度フォース・インディアから劣っていました。デグラデーションもフォース・インディアと同レベルなので、今回は5〜6番目のチームということになりそうです。
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