降水確率70%の予報が出て、雨は間違いないと見られていたベルギーGPの2日目。ところが朝から青空が広がり、路面こそ若干湿っている状態ながら、フリー走行は各車ドライタイヤで周回を重ねた。4回目フリー走行セッションの後半には、バトンと佐藤はそれぞれ7、8番手のタイムをマークした。
午後1時からの予選も、初秋の日差しの下で行われた。気温25℃、路面温度33℃というコンディション。佐藤は5番手で出走のため、路面グリップが低いハンデを負わざるをえない。ミスのないスムーズな走りで暫定トップタイムを記録したが、午前中の自己ベストに約コンマ8秒及ばない1分48秒353のタイムだった。
予選開始後20分を過ぎたあたりから、上空には雲が広がってきた。13番目に出ていったバトンは、下り坂の続く第2区間で佐藤をコンマ4秒近くしのぎ、1分47秒978のタイムを記録した。その後、最終グループが走り始める前後から小雨が降り出したが、路面への影響はほとんどなく、最終的にバトンは9番手、佐藤は11番手となった。予選3番手だったフィジケラは、初日にエンジン交換して10番降格のペナルティを科されるため、明日の決勝レースはバトン8番、佐藤10番グリッドからスタートする。ポールポジションはJP・モントーヤ(マクラーレン)だった。
■ジェンソン・バトン
予選 9番手 1分47秒978 (決勝レース8番グリッド)
「今朝のフリー走行では、1コーナーの進入やバスストップでフロントホイールがロックしてしまうという大きな問題を抱えていて、厳しいセッションだった。フリー走行から予選への流れはあまり良くなかったので、ブレーキングでやや慎重になりすぎたのかもしれない。でも、失敗して悔やむよりも、早めにブレーキをかけて慎重に走る方が良いから、悪くはなかったよ。レースはきっとうまくいくはずだから、後は明日の天気に注目だね。この位置からのスタートなら、きっと良い位置のポイントは取れると思う」
■佐藤琢磨
予選 11番手 1分48秒353 (決勝レース10番グリッド)
「予選出走順がとても早かったので、コース状態が良くなる後半のドライバー達に比べて、少し不利なことは分かっていました。コンディションはグリップがやや低く、難しいラップでした。天候の影響で、レースに向けての準備は難しくなってしまいましたが、それは皆同じですし、僕らは今朝、できる限りのプログラムをこなし、最善の仕事をしたと思います。明日の天気も難しくなりそうですが、雨だろうとドライだろうと、全開で攻めていきます。明日は良い戦略がありますし、良い結果を残したいですね」
■ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「今日は非常に多忙な1日だったが、それはどのチームも同じことだろう。通常2日間でこなす作業を1日に詰め込んだのだからね。天候の面でもそうだが、見たところ今週末は通常に比べ、ダウンフォースレベルや燃料搭載量、タイヤ選択など、様々な戦略が展開されているようだ。もう少し上のグリッドを獲得したかったが、明日になれば、我々のレースに向けた選択がロングランで功を奏するかどうかが明らかになるはずだ」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「今日は雨も降らず、タイヤ選択とセットアップ作業を問題なく進めることができました。残念ながら前方のグリッドを獲得できませんでしたが、我々のレース戦略がうまくいき、明日のレースでは良いポジションでフィニッシュできることを期待しています」