つまり、スペック1でトラブルを起こしたのは開幕戦のガスリーのMGU-Hだけだった。
続いて第7戦カナダGPから投入されたスペック2についてだ。
これもそのカナダGPのフリー走行でガスリーのパワーユニットに問題が発生して、そのグランプリで交換を余儀なくされた。またカナダGPのレースではハートレーが他車に絡まれてクラッシュしたため、次の第8戦フランスGPでパワーユニットを交換せざるをえなかった。
さらにハートレーはそのフランスGPのフリー走行でパワーユニットにも問題が発生したため、1回の週末で2回新しいパワーユニットを投入することとなった。ハートレーは続くオーストリアGPの予選後にパワーユニットを交換したが、これはトラブルによるものではなく、予選結果と今後のPU使用予定を踏まえた戦略的なものだった。
また第11戦ドイツGPでは予選後にガスリーがパワーユニットをユニットごと新品に交換したが、これも予選結果を踏まえた戦略的交換だった。スペック2は9月中旬の第15戦シンガポールGPまで使用され、その時点での2人の使用状況は以下の通りとなった。
ドライバー:ICE/ターボ/MGU-H/MGU-K/ES/CE
ハートレー:6/5/5/5/3/3
ガスリー:5/5/5/4/3/3
ただし、スペック2の交換でトラブルによるものはカナダGPのガスリーとフランスGPのハートレーの1回ずつだった。
そして、第16戦ロシアGPからスペック3が投入される。そのロシアGPではハートレーのターボとMGU-Hに信頼面でやや不安があったために、次の日本GPを万全の体制で戦うために新品に交換した。第18戦アメリカGPではガスリーがPU交換。これは日本GPで発生したオシレーション(共振)を回避するセッティングでの走行がパワーユニットにダメージを与えていたためだった。