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【レースの焦点】ライコネンが完璧に遂行した4つのミッション。自分らしさを貫き、ファンも待望の優勝を飾る/F1第18戦アメリカGP

2018年10月24日

 キミのドライビングの特徴は、たとえばバルセロナのターン3を上空からの映像で見るとよく分かる。Gに耐えるタイヤに無理強いせずタイヤが苦しむ直前にステアリングを戻し、マシンが走りたい方向に走らせている。

Sutton Images

 ライコネンの秘訣は、それが彼自身の先天的なドライビングであり、そうすることによって“マシンが速く走れるライン”を熟知していることだ──。作動温度領域の狭い今日のタイヤでは予選で苦労することもある。でもレースになると“タイヤを労わる”という作業を最もナチュラルに、タイムロスすることなく行えるドライバーなのだ。

 トップに立ったライコネンは、きれいな空気のなかで走った。2番手ハミルトンは乱気流のなか、DRS圏内までは近づけずにいた。“キミは2ストップするかもしれない”“ウルトラソフトは保たないはず”というメルセデスの期待は、ハミルトンのタイムに完璧に呼応してレースをコントロールするライコネンによって消え去った。メルセデスがある意味“フェラーリ的”に、目の前のVSC(バーチャルセーフティカー)にチャンスを求めた所以だ。

 完璧なデータ管理と分析によるストラテジーを得意とするメルセデスも、今回は手元に材料がなかった。同じ作戦では前に出ることが不可能だと判断し、リスクを覚悟で11周目のピットインという賭けを選んだ。

「VSCが続いていたら、ライコネンとは逆の作戦。(彼がステイアウトしたら)ピットイン」というメルセデスの無線を知って、11周目の最終コーナー手前で一瞬、ピットインの素振りを見せたライコネンは“粋”なレーサー。

 週末初めての晴天と30℃に上がった路面温度、ブリスターのリスク──。未知の要素を抱えて迎えたアメリカGPは、今シーズン一番人間的で、ドライバーに依存したレースだった。

 わずかなタイムロスでピットインを終えたハミルトンは、ライコネンの10秒後方でコースに戻り、フレッシュタイヤの性能を活かして7周後の18周目にはフェラーリのDRS圏内まで迫った。19周目のふたりの間隔は0.487秒。「抑え込むことはできない」と無線で伝えながらも、ライコネンはハミルトンの攻撃を巧みにかわしていく。そして21周目のターン13でハミルトンとサイド・バイ・サイドの攻防を繰り広げた直後にピットイン。

「グッドジョブ、キミ」と、フェラーリがライコネンに伝える。大切なのは、1ストップ作戦に必要な21周の第1スティントの間、ハミルトンを先行させず、彼の第2スティント序盤の10周を、乱気流の中で走らせることだった。

 ソフトに交換したライコネンとハミルトンの間隔は17.8秒。フェラーリはハミルトンの2ストップを確信し、同じタイムがターゲットだとドライバーに伝えた。ピットインによるロスは19〜20秒。17〜18秒後方を走れば、メルセデスが2回目のピットに入った際にポジションを覆せる。

 ソフトに交換した後のスティント序盤の10周を1分39秒台前半で走り、正確に17秒の間隔を守ったことは、レース終盤の攻防に必要な力を残した。





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