だが、長谷川総責任者は、そういうコメントこそ、真摯に受け止めなければならないという。
「悪い部分を指摘されるということは、そこを直してくれれば、もっと良くなるということ。さらにいえば、そういうことを言ってくれるということは、ドライバーはまだあきらめていないということです」

　じつはこのミーティングは、ホンダ側がドライバーを招いて行われたものだった。
「例えば、今日もホンダ側の問題でないところで、エンジンがかからなかったことがあったんですが、いまのような状況だとドライバーはすぐにエンジンに問題があると勘違いしやすいので、そういう部分で誤解を与えないようにドライバーとコミュニケーションを図って信頼関係を築いておくことも重要なんです。だから、このミーティングは今回が初めてではなく、毎グランプリやっています。悪かったことだけでなく、良かったことも話し合っていますよ」

　今シーズン、テストが始まって以降、明るい話題がなかったマクラーレン・ホンダ。しかし、チーム内の信頼関係は私たちが想像しているよりもずっと強固で、巷で噂されているような軋轢はない。

（Text : Masahiro Owari）

• -
  ツイート
• 0
  シェア